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三度
「三度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
ゅもく》は誰かの手に綱を引かれ、徐《おもむ》ろに鐘を鳴らしはじめる。一度、二度、
三度、――鐘楼の外は松の木ばかり。
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斜めに見た射....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
しながら、鷹揚《おうよう》に頷《うなず》いた。幕営の外はしんとしている。遠くで二
三度、角《かく》の音がしたほかは、馬の嘶《いなな》く声さえ聞えない。その中で、ど....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
》いっちゃいけない。哲学は哲学、人生は人生さ。――所がそんな事を考えている内に、
三度目になったと思い給え。その時ふと気がついて見ると、――これには僕も驚いたね。....
「影」より 著者:芥川竜之介
耳を立てた。それはこの時戸の向うに、さっき彼が聞いたような、用心深い靴の音が、二
三度|床《ゆか》に響《ひび》いたからであった。
足響《あしおと》はすぐに消えて....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
?』三浦『黙認していたのじゃない。僕は肯定《こうてい》してやっていたのだ。』私は
三度《みたび》意外な答に驚かされて、しばらくはただ茫然と彼の顔を見つめていると、....
「河童」より 著者:芥川竜之介
きもできないほど、節々《ふしぶし》が痛んでいたのですから。
チャックは一日に二
三度は必ず僕を診察にきました。また三日に一度ぐらいは僕の最初に見かけた河童、――....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
太夫が兵衛の小手《こて》を打った。二度目は兵衛が甚太夫の面《めん》を打った。が、
三度目にはまた甚太夫が、したたか兵衛の小手を打った。綱利は甚太夫を賞するために、....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
ぺちゃんこに見えちゃ、かなしかろうさ。これには、僕も同情したよ。
「何でも、十二
三度その人がちがった役をするのを見たんです。顔の長い、痩せた、髯《ひげ》のある人....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
》のような老爺《おやじ》になっては、――」
玄象道人はじろりとお蓮を見ると、二
三度|下《げ》びた笑い声を出した。
「御生れ年も御存知かな? いや、よろしい、卯....
「女」より 著者:芥川竜之介
脚には痲痺《まひ》が起った。最後に長い嘴《くちばし》が痙攣的《けいれんてき》に二
三度|空《くう》を突いた。それが悲劇の終局であった。人間の死と変りない、刻薄な悲....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
彼の述懐を聞くと、まず早水藤左衛門は、両手にこしらえていた拳骨《げんこつ》を、二
三度膝の上にこすりながら、
「彼奴等《きゃつら》は皆、揃いも揃った人畜生《にんち....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
いる書斎で、平静な読書|三昧《さんまい》にふけっていたが、それでもなお、月に二、
三度は、あの大川の水をながめにゆくことを忘れなかった。動くともなく動き、流るると....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
気がかりだった。
しかしその話が一段落つくと、谷村博士は大様《おおよう》に、二
三度独り頷《うなず》いて見せた。
「いや、よくわかりました。無論十二指腸の潰瘍《....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
》前後の支那人は大机の前を離れると、すうっとどこかへ出て行ってしまった。半三郎は
三度《さんど》びっくりした。何《なん》でも今の話によると、馬の脚をつけられるらし....
「初雪」より 著者:秋田滋
もりなのだろう、一番とッつきの樅の木に手を触れ、それから引ッ返して来た。彼女は二
三度あわや雪のうえに倒れてしまうかかと思われた。体は凍り切ってしまって、もう自分....