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「三文〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

三文の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
まい》は住居で、葉子の洋行後には、両親の死後何かに尽力したという親類の某が、二束三文《にそくさんもん》で譲り受ける事に親族会議で決まってしまった。少しばかりある....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
した。そして筍《たけのこ》の皮を剥《は》ぐように幾枚もの紙を剥がすと真黒になった三文判がころがり出た。彼れはそれに息気《いき》を吹きかけて証書に孔《あな》のあく....
星座」より 著者:有島武郎
笑みを今ごろどこかで漏《も》らしているのだろう。しかも話の合う仲間の処に行って、三文にもならないような道徳面《どうとくづら》をして、女を見てもこれが女かといった....
第五氷河期」より 著者:海野十三
い》りもしないのに百五十億ドルもの罐詰を買って持っているんです。これが今日、二束三文で買えるのです。博士は、それを買って、どんどん廃坑の中へしまいこんでいます」....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
造されなければならない。どうも日本民族をおいて、他にこの二大文明の融合によって第三文明を創造しうる能力をもったものが、外にないと思われる。つまり、寒帯文明を手段....
蠅男」より 著者:海野十三
村は、なんとはなしにギョッとした。係りの男の外した紙札には、明らかに「人造犬」の三文字が認められてあったではないか。あれほど先刻帆村が面白く見物した「人造犬」の....
動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
くその船を見れば、黒い煙突には○のマークが躍り、船側には黒くまぎれもない釧路丸の三文字が、鮮かにも飛沫に濡れているのだった。 ダーン……早くも釧路丸の船首には....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
などを詮議しているのではありません。要するに店仕舞いのおもちゃ屋という格で、二足三文の瓦楽多がただ雑然と押し合っているだけのことですから、何かおめずらしい人形が....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
紅葉や露伴の感服されたのも「小説家にしては――」という条件付きであったのである。三文文学とか「チープ・リテレチュア」とかいう言葉は今でも折々繰返されてるが、斯う....
少年探偵長」より 著者:海野十三
「チャン爺さんは、あれでそうとうなもんだよ。こっちが売りに持っていった品物は二束三文に値ぎりたおす。それをあとで磨きにかけて、とほうもない高値で、外国人などに売....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
用意もござりまする。だから烏啼大人よ。もうこんな古い手はお使いにならんことだね。三文の価値のないインチキ名画を、たとい何千円にしろ、高い金を払い、いろいろ肉体的....
薬草取」より 著者:泉鏡花
十里四方には人らしい者もないように、船を纜った大木の松の幹に立札して、渡船銭三文とある。 話は前後になりました。 そこで小児は、鈴見の橋に彳んで、前方を....
大空魔艦」より 著者:海野十三
この氷の張りつめた北極地方はほとんど船で乗りきることができないので、交通路として三文の値打もなかった。ところが近年航空機がすばらしい発達をとげてからというものは....
風波」より 著者:井上紅梅
に向い、このお碗を城内で釘付けすると欠け口が大きいから銅釘が十六本要った。一本が三文で皆で四十八文かかった。 九斤老太ははなはだ不機嫌だった。「代々落ち目にな....
西瓜」より 著者:岡本綺堂
かったのを、さきごろの土用干しの時に、僕が測らず発見したのだ。」 「それでも二足三文で紙屑屋なんぞに売られてしまわなくって好かったね。今日になってみれば頗る貴重....