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三日月形
「三日月形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三日月形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高山の雪」より 著者:小島烏水
》くなっているに過ぎないが、その両端の垂下力が遅く、中央が速いためか、第二期には
三日月形に歪み、更に拡大して勾玉《まがたま》形になって来ている。中には勾玉形が、....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
上がった顔のすばらしさ! くっきりと白く広い額に、ありありと刻まれていたものは、
三日月形の三寸あまりの刀傷なのです。それも冴《さ》え冴えとした青月代《あおさかや....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
われ女《め》に悩ましい欲情を唆《そそ》り湧かしめるあの凄艶無比《そうえんむひ》な
三日月形の疵痕を、白く広い額に発見するや、やにわと言いました。 「もっけもねえと....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
とのぞいてみるか」 いかにも出来事が奇怪でしたので、のっそり立ち上がると、あの
三日月形の疵痕に、無限の威嚇を示しつつ、のっそり場内へおりていきました。 ....
「錯覚の拷問室」より 著者:佐左木俊郎
を通ると、窓から黒い洋服がぶらさがっていた。その詰襟の垢《あか》のついたカラーは
三日月形になって覗《のぞ》いていた。
三日月形というよりも、魚の形に近かった。....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
が暗み、少しも気が附かなんだけれど、先刻から茲に居たのに違いない。
第八十七回
三日月形
秀子が茲に来て居ようとはホンに思いも寄らなんだ、而も一々余の言葉を....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ったのを、黙々自若として、ずいとさしつけたのは夜鳴きして参ったと言った眉間三寸、
三日月形のあの冴えやかな向う傷です。 これにあってはやり切れない。ひとたまりも....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
宝の鍵の入った包を取出して、机上のスタンドのあかりの下に開いてみた。ぴかぴか光る
三日月形の黄金片と、焼けこげのある絹ハンカチの一部とは、共に無事であった。 「あ....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
た。そして頤の張った顔を正面に向け、高い鼻をツンと前に伸ばし、その下に切り込んだ
三日月形の口孔の奥には高声器が見え、それから円らな二つの眼は光電管でできていた。....
「おせん」より 著者:邦枝完二
底光のする鏡の中に、澄めば澄む程ほのかになってゆく、おのが顔が次第に淡く消えて、
三日月形の自慢の眉も、いつか糸のように細くうずもれて行った。 「吉ちゃん。――」....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
金持の邸の玄関道が妙に曲っているのでそのカーヴの線と表通りの直線とに挟まれて
三日月形になった空地がある。信託会社の分譲地の柱が立っている。ふさがっているのは....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
三方壁の明り窓のない部屋であった。周囲を杉の皮で張って泥絵具で枝を描き、畳の隅に
三日月形の穴を開け、下から微かに光線を取って昼なお暗き大森林を偲ばしめる趣向で、....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いうのは余程珍しい。多くは中の部分を繰抜き、また外側を幾分か削ってしまったもので
三日月形にしてあるものがやはり半分に通用します。
ところで一番細かな買物は幾ら....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
帯びた越後の駒ヶ岳が全容を露し、平ヶ岳の上には中ノ岳の円錐頂が認められた。いつも
三日月形の大残雪が残る平ヶ岳の東南面には、夥しく白いものが見える。表面から反射す....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
目掛けてまっしぐらに谷を駆け上っている、上って視線の窮極に達すると、遥かの空際の
三日月形の弧をくっきりと描いたまま其後に没しているが、弧の両方の尖端は尚も上へと....