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三本
「三本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三本の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
くずれかかった築土《ついじ》があって、その中に、盛りをすぎた合歓《ねむ》の木が二
三本、こけの色の日に焼けた瓦《かわら》の上に、ほほけた、赤い花をたらしている。そ....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
札《ふだ》、首の番をする下役人《したやくにん》――それはいつもと変りません。が、
三本組み合せた、青竹の上に載せてある首は、――ああ、そのむごたらしい血まみれの首....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
、「ああ云う見苦しい負を取られては、拙者の眼がね違いばかりではすまされぬ。改めて
三本勝負を致されるか、それとも拙者が殿への申訳けに切腹しようか。」とまで激語した....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
を流れている、幅の狭い濁り川が、行方《ゆくて》に明《あかる》く開けた時、運命は二
三本の川楊《かわやなぎ》の木になって、もう落ちかかった葉を低い梢《こずえ》に集め....
「路上」より 著者:芥川竜之介
な幸福の前触れのごとくも見えるのだった。
すると机の上の灰皿《はいざら》に、二
三本吸いさしの金口《きんぐち》がたまった時、まず大儀そうに梯子段を登る音がして、....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
て》を一本に面《めん》を二本とりました。数馬は一本もとらずにしまいました。つまり
三本勝負の上には見苦《みぐる》しい負けかたを致したのでございまする。それゆえある....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
ない、カアキイ服の群《むれ》を見渡した。
三幕目の舞台は黒幕の前に、柳の木が二
三本立ててあった。それはどこから伐《き》って来たか、生々《なまなま》しい実際の葉....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
ういん》前の坊主軍鶏《ぼうずしゃも》で、あたりが暗くなるのを待ちながら、銚子も二
三本空にしました。そうして日がとっぷり暮れると同時に、またそこを飛び出して、酒臭....
「或る女」より 著者:有島武郎
な人だかりですの。なんだと思って見てみますとね、禁酒会の大道演説で、大きな旗が二
三本立っていて、急ごしらえのテーブルに突っ立って、夢中になって演説している人があ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
って華手《はで》なモスリンの端切《はぎ》れを買った。またビールの小瓶《こびん》を
三本と油糟《あぶらかす》とを馬車に積んだ。倶知安《くっちゃん》からK村に通う国道....
「星座」より 著者:有島武郎
げたに、平手で押し拭われたらしい涙のあとが濡れたままで残っている。そこには白髪の
三本ほど生えた大きな疣《いぼ》もあった。小さい時、きょうだいで寄ってたかって、お....
「しっかり者のすずの兵隊」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
城でした。そのちいさなお窓からは、なかの広間がのぞけました。お城のまえには、二、
三本木が立っていて、みずうみのつもりのちいさな鏡をとりまいていました。ろうざいく....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
てあって、ヨハンネスがふとみると*しだの木のじくにやなぎの枝をはめた大きいむちが
三本、そこからとびだしていました。で、ふたりのいるまえをよろよろするうち、片足す....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
に彼は専制君主の力を示す笏というべき鞭をふりかざしていた。正義の鞭は王座の背後の
三本の釘にかけてあり、悪事をはたらくものを絶えず脅やかしていた。一方、彼の前の机....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
に野末にたち罩め、ものの輪廓が、ほの暗い、はるか遠方にあるように見えた。道ばたに
三本立っている見あげるような樅の木までが、まるで泣いてでもいるように潤んで見えた....