三杯[語句情報] » 三杯

「三杯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

三杯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
内蔵助は微笑した。この正月の元旦に、富森助右衛門《とみのもりすけえもん》が、三杯の屠蘇《とそ》に酔って、「今日も春恥しからぬ寝武士かな」と吟じた、その句がふ....
路上」より 著者:芥川竜之介
》は今度も微笑の中《うち》に、韜晦《とうかい》するよりほかはなかった。と、大井は三杯目のウイスキイを前に置いて、金口の煙を相手へ吹きかけながら、 「女なんてもの....
」より 著者:芥川竜之介
だらしかった。――こう云う夢から醒めたわたしは顔を洗って来た後、濃《こ》い茶を二三杯飲み干したりした。けれどもわたしの心もちは一層憂鬱になるばかりだった。わたし....
婦系図」より 著者:泉鏡花
いか。自分にも親なんだぜ、余裕があったら勿論貢ぐんだ。無ければ断る。が、人情なら三杯食う飯を一杯ずつ分るんだ。着物は下着から脱いで遣るのよ。」 と思い入った体....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ような楽しい心で膳に向かった。君の大食は愉快に私を驚かした。食後の茶を飯茶わんに三杯続けさまに飲む人を私は始めて見た。 夜食をすましてから、夜中まで二人の間に....
美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
やつちまへ。』 と決心がつくと、やをらしん粉に手をかけて、またゝく暇に植木鉢に三杯、チユウリツプ ? の花を造り上げた。が、それは、むろん狐光老とつさな花であ....
田端日記」より 著者:芥川竜之介
ある。文句も話した時は覚えていたが、もうすっかり忘れてしまった。赤木は、これも二三杯の酒で赤くなって、へええ、聞けば聞くほど愚劣だねと、大にその作者を罵倒してい....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
綺麗にうつり、すいと消え、ぱっと咲いた。 「酔っとるでしゅ、あの笛吹。女どもも二三杯。」と河童が舌打して言った。 「よい、よい、遠くなり、近くなり、あの破鐘を持....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
兄哥は、霜の上の燗酒で、月あかりに直ぐ醒める、色の白いのもそのままであったが、二三杯、呷切の茶碗酒で、目の縁へ、颯と酔が出た。 「勝手にピイピイ吹いておれ、でん....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
。……何ぞお香のものを差上げましょう。」 その心意気。 「難有い。」 と熱燗三杯、手酌でたてつけた顔を撫でて、 「おかみさん。」 杯をずいとさして、 「一....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
が、いい塩梅にころがっていましたよ。大丈夫、ざあざあ洗って洗いぬいた上、もう私が三杯ばかりお毒見が済んでいますから。ああ、そんなに引かぶって、襟が冷くありません....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
らんのようにはいきません。お酌は不束ですよ、許して下さい。」 「こっちも駆けつけ三杯と、ごめんを被れ。雲足早き雨空の、おもいがけない、ご馳走ですな。」 と、夫....
三枚続」より 著者:泉鏡花
食やしめえ。命取だ。恐しいといって身震をしやあがって、コン畜生、その癖|俺にゃあ三杯と啜らせやがって、鍋底をまた装りつけたろう、どうだ、やい、もう不可ねえだろう....
式部小路」より 著者:泉鏡花
りゃ。) と前はだけの平胡坐、ぬいと腕まくりで突出したのが飯喰茶碗。 五合を三杯半に平げると、 (こう、向うへ行って、取って来い、) は乱暴じゃありません....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
いつも一杯の時の心持で。……どんなお酒だったでしょうね、熱い甘露でしょう、……二三杯あがったと思うと、凍った骨、枯れた筋にも、一斉に、くらくらと血が湧いて、積っ....