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三枚重ね
「三枚重ね〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三枚重ねの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あの顔」より 著者:林不忘
ら?」 お久美は、うつくしい線にからだを反らして、うしろの茶箪笥の棚から、二、
三枚重ねた散らしのような紙をとった。 「伏見屋から、二丁町の鸚鵡石《おうむせき》....
「婦人の創造力」より 著者:宮本百合子
があって、きれいな着物を着て行った。――その頃はいまと違ってそういう所へ行くには
三枚重ねの縮緬の着物を着て振袖で車を並べて行ったもので、一葉も借着をして行く。や....
「女性の歴史の七十四年」より 著者:宮本百合子
緬の着物に黒縮緬の帯という芝居の姫君のような濃艶な姿、また京都その他では黒白赤の
三枚重ね」と土地柄を見て演出効果を考えていたことも相馬黒光女史の「明治初期の三女....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
んのう》は有名で、自分の方が終日ハラハラしていた。みんなその日はめかしていった。
三枚重ねを着て、さしこみのついている鼈甲《べっこう》の簪《かんざし》や、前がみざ....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
していなかった――陋巷《ろうこう》に死したのだが、例の格式で、借りものの白むくの
三枚重ねを女たちはみんな着たが、肝心《かんじん》のやかましやがさきへ死んだので、....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
《ごけそう》をした、色の黒い、小欲で眼の光っている、痩《や》せた長顔の、綿入れを
三枚重ねて着て、もてるだけの荷物の包を両手にさげて、転がったら最後焼け死んでしま....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
、ボートにつける二枚の帆をこしらえました。私の指図にしたがい、一番丈夫な布を、十
三枚重ねて縫い合わせました。私は一番丈夫な太い綱を、十本、二十本、三十本と、一生....
「樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
うぎ》のうるわしさは、あるおり、夏子に恥をかかせまいとして、歌子は小紋ちりめんの
三枚重ねの引《ひき》ときを、表だけではあったが与えもした。 「蓬生《よもぎう》日....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
き、門の中からひょろりと出てきた二十二三の優形《やさがた》の男。※《ふき》の厚い
三枚重ねに三つ大の紋のついた小浜縮緬の紫の羽織をゾベリときかけ、天鵞絨の鼻緒のす....
「寒鮒」より 著者:佐藤垢石
小舟をとどめて寒鮒を待つ風景は、眼に描いただけで心に通ずるものがある。舟板に二、
三枚重ねて敷いた座蒲團の上に胡座して傍らの七輪に沸ぎる鉄瓶の松籟を聞くともなしに....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
ろしのその時締めし、ええそれよ。ねだって買ってもろうたる博多に繻子に未練もなし、
三枚重ねに忍ばるる往時は罪のない夢なり、今は苦労の山繭縞、ひらりと飛ばす飛八丈こ....