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三毛
「三毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
た。
壁際《かべぎわ》の籐椅子《とういす》に倚《よ》った房子《ふさこ》は、膝の
三毛猫《みけねこ》をさすりながら、その窓の外の夾竹桃へ、物憂《ものう》そうな視線....
「突貫紀行」より 著者:幸田露伴
ま》を過ぐる頃、女の児《こ》餅《もち》をうりに来る。いくらぞと問えば三文と答う。
三毛かと問えばはいと云い、三厘かといえばまたはいと云う。なおくどく問えば怫然《ふ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、だしぬけに頭の上で猫の啼き声がきこえたので、半七は思わず見あげると、猫は普通の
三毛猫で、北から吹く風にさからいながら、白雲堂の屋根の庇《ひさし》を渡って通り過....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
半七老人の家には小さい
三毛猫が飼ってあった。二月のあたたかい日に、私がぶらりと訪ねてゆくと、老人は南向....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
僧、骨なし、……猫屋敷。 で、この猫について、座の一人が、かつてその家に飼った
三毛で、年久しく十四五年を経た牝が、置炬燵の上で長々と寝て、密と薄目を※くと、そ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
か、言わっしゃるが、死骸だけに厭なこんだ。金壺眼を塞がねえ。その人が毬を取ると、
三毛の斑が、ぶよ、ぶよ、一度、ぷくりと腹を出いて、目がぎょろりと光ッたけ。そこら....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
ねえ、鼠は可愛いんだねえ。」 「じゃあ貢さん家に猫は居ないのかい。」 「居るよ、
三毛猫なの。この間ね、四ツ児を産んだよ、伯母さんが可愛がるよ。」 「貢さんも可愛....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
相のままで、蝙蝠を吹かしながら、射的店へ話をつけた。此奴は褌にするため、野良猫の
三毛を退治て、二月越内証で、もの置で皮を乾したそうである。 笑話の翌朝は、引続....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
いにうらやましがったことがあった。ところがこの巣鴨の監獄にも、白だの黒だの斑だの
三毛だのと、いろいろな猫がそこここにうろついている。写真は撮れまいけれど一所に遊....
「猫の草紙」より 著者:楠山正雄
れ出すようになったのでした。 けれどもおふれが出て、猫の綱がとけますと、方々の
三毛も、ぶちも、黒も、白も自由になったので、それこそ大喜びで、都の町中をおもしろ....
「虎」より 著者:岡本綺堂
のだが、そこが例のインチキで、弟の幸吉が飛んだ商売気を出した。というのは、それが
三毛猫で、毛色が虎斑のように見える。それから思い付いて、いっそ虎の子という事にし....
「画室談義」より 著者:上村松園
の通路になっていることを、私は最近になって知った。 私の家の外塀を乗り越えて、
三毛猫、白猫、黒猫、実にいろいろ近所の猫たちが入れかわり立ちかわりやって来ては、....
「「ああしんど」」より 著者:池田蕉園
よっぽど古いお話なんで御座いますよ。私の祖父の子供の時分に居りました、「三」という猫なんで御座います。
三毛だったんで御座いますって。 何でも、あの、その祖父の話に、おばあさんがお嫁....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
留守番もないはずだつた。 昨夜雨があつたのか、シツトリと湿つている家の前庭を、
三毛猫が音もなく横切つて行つた。 復員兵の多くは佐世保近くの上陸地から自家に電....
「ねことおしるこ」より 著者:小川未明
ているだろう。あれは、黒いどらねこだよ。そして、ニャア、ニャアといっているのは、
三毛なんだよ。」 正ちゃんは、ねこのけんかで目をさましたのでした。小さい
三毛が....