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「三笠山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

三笠山の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
単独行」より 著者:加藤文太郎
なか急峻なる道なり。七合目までは苦しいほどの下りにて七合よりスロープ緩く楽なり。三笠山の横を通り多くの小屋を過ぐ、王滝十一時半着、途中清滝王(新)滝を見物せり、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が浮ぶのであります。 拝殿の前から三輪の御山を拝む。 御山は春日《かすが》の三笠山と同じような山一つ、樹木がこんもりとして、朝の巒気《らんき》が神々《こうご....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
完全に忘れられたる月を私は巴里で見た。モンマルトルやサンゼルマンの夜の空に、三笠山で眺めたと同じその明月が憐れにも電光に色を失って気の毒にも誰れ一人見るもの....
宝に食われる」より 著者:宮本百合子
端から立つ埃がむっとしておれ、たった一歩、例えばまあ三月堂から男山八幡へ行く道、三笠山へ出る道を右にそれて草原に出て見る、そこで人影はもう余程疎らだ。もう一寸、....
大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
一めんに咲きみだれ、もう葉の黄ばみだした柿の木の間から、夕月がちらりと見えたり、三笠山の落ちついた姿が渋い色をして見えたりするのが、何んともいえずに好い。晩秋か....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
をひく春日社頭の燈籠が、すでに掲焉《けちえん》とともっており、社中の花は盛りで、三笠山の月が光を添えた。この行はもと単に奈良のみでなく、大和めぐりを思い立ったの....
あしびの花」より 著者:土田杏村
ることが出来ない。ここの馬酔木だけは全く奈良の見ものである。 この辺一帯、即ち三笠山の馬酔木は、既に一千年余の歴史を持つてゐる。万葉集の中にも馬酔木の歌は二十....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
のである。そうしてその斑の間には今一面につつじの花が咲き乱れている。この景色は、三笠山やその南の大和の山々とはよほど感じが違う。しかしその乾いた、砂山めいた、は....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
は粗末さが目立ちますが、中で手向山の台附の絵馬などはよき郷土土産となりましょう。三笠山ほとりでは刃物を多く並べます。それよりも町で売る竹皮の下駄によい品を見かけ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
なだらかな春野の傾斜と、それを裾にして右手の空にふくらんで乳房を持っているような三笠山の胸のあたりがここからは近い感じである。 「なんですか」 ここまで、七町....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
ですまないと思われたりする。 三笠宮さまも毎年借家のようではあったが、ことしは三笠山の中腹に三、四十坪の学究の書屋らしい建物を作られた。そこへ一日、パーティー....