三等[語句情報] »
三等
「三等〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三等の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
に、また勢いよく走り始めた。慎太郎はその時まざまざと、今朝《けさ》上《のぼ》りの
三等客車に腰を落着けた彼自身が、頭のどこかに映《うつ》るような気がした。それは隣....
「或る女」より 著者:有島武郎
別れを惜しむ人々の群れがここにもかしこにも見え始めた。サルン・デッキから見ると、
三等客の見送り人がボーイ長にせき立てられて、続々|舷門《げんもん》から降り始めた....
「星座」より 著者:有島武郎
トフォームには、乗客と見送人が混雑して押し合っていた。
西山さんは機関車に近い
三等の入口のところに、いつもとかわらない顔つきをしていつもとかわらない着物を着て....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
略解る。酒に酔わずにアルコオルに中毒るような人物で。 年紀は二十七。従五位|勲
三等、前の軍医監、同姓|英臣の長男、七人の同胞の中に英吉ばかりが男子で、姉が一人....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
も早い奴とずぶとい奴が席を奪っている。社会の平等を叫ぶ一派の社会主義は、よろしく
三等車の席を平等に腰かけられる工夫をして貰いたい。それでもやっと腰を下ろした。小....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、そのから衣、ささおりの、安弁当の鰯の名に、紫はありながら、杜若には似もつかぬ、
三等の赤切符。さればお紺の婀娜も見ず、弥次郎兵衛が洒落もなき、初詣の思い出草。宿....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
かさねて、飛入勝手次第として、祝賀委員が、審議の上、その仮装の優秀なるものには、
三等まで賞金美景を呈すとしたのに、読者も更めて御注意を願いたい。 だから、踊屋....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
はもう日暮に近い頃だった。僕はいつも二等に乗っていた。が、何かの都合上、その時は
三等に乗ることにした。 汽車の中は可也こみ合っていた。しかも僕の前後にいるのは....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
った膝の上には、大きな風呂敷包みがあった。その又包みを抱いた霜焼けの手の中には、
三等の赤切符が大事そうにしっかり握られていた。私はこの小娘の下品な顔だちを好まな....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
っけ北海道へ行く時青森から船に乗ったら、船の事務長が知ってる奴だったものだから、
三等の切符を持ってるおれを無理矢理に一等室に入れたんだ。室だけならまだ可いが、食....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
知っているある汽船の船長に話しすると船長はすっかり感心してアルゼンチンの国へ行く
三等切符を一枚ただくれました。 そこでいよいよマルコは父親も承知してくれたので....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
く係合いに気を揉んだのは事実で。……うっかり長煙管を提げたッきり。 ト向うが勲
三等ぐらいな立派な冠木門。左がその黒塀で、右がその生垣。ずッと続いて護国寺の通り....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
きは、一カ寺に属する人の数およそ一千四人の割合なり。 国教宗にては僧侶の階級を
三等に分かつ。教正、訓導、試補これなり。教正は訓導を監督指令するの権を有す、訓導....
「西航日録」より 著者:井上円了
まること二週余、もっぱら倹約を守る。 紳士洋行漫費銭、僕貧難伍此同連、船乗二等車
三等、止酒禁煙倹約専。 (紳士の洋行というものはみだりに費用がかかるもの、僕は貧....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
(往復十八マイル)の汽車賃、九ペンスすなわちわが三十六銭。汽車に一等、二等ありて
三等なきは、豪州の特色なり。車室は粗悪にして、その二等はわが
三等よりもあしし。十....