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三筋
「三筋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三筋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
に青芒が一叢生茂り、桔梗の早咲の花が二、三輪、ただ初々しく咲いたのを、莟と一枝、
三筋ばかり青芒を取添えて、竹筒に挿して、のっしりとした腰つきで、井戸から撥釣瓶で....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
りのも洗面所のも一齊にパッと消えたのである。 と胸を吐くと、さらさらさらさらと
三筋に……こう順に流れて、洗面所を打つ水の下に、さっきの提灯が朦朧と、半ば暗く、....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ここから近くにあって、外濠から隅田川に通ずるものには、日本橋川、京橋川、汐留川の
三筋があり、日本橋川と京橋川を横に繋いでいるものに楓川、亀島川、箱崎川があること....
「春昼」より 著者:泉鏡花
して、背後へよいとこさと反るように伸びた。親仁との間は、隔てる草も別になかった。
三筋ばかり耕やされた土が、勢込んで、むくむくと湧き立つような快活な香を籠めて、し....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
悶ゆる膚は鱗を鳴してのたうち蜿る。ふと、肉身のものの目に、その丈より長い黒髪の、
三筋、五筋、筋を透して、大蛇の背に黒く引くのを見る、それがなごりと思うが可い。 ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
あの破鐘を持扱う雑作に及ばぬ。お山の草叢から、黄腹、赤背の山鱗どもを、綯交ぜに、
三筋の処を走らせ、あの踊りの足許へ、茄子畑から、にょっにょっと、蹴出す白脛へ搦ま....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
れを見ろ。あのとおり、腕をひき裂きやがった。一度|斬りつけただけでは足りないで、
三筋も四筋も斬りつけてある」 「うん、まるでフォークをつきこんで、ひき裂いたよう....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
、長くそこまで靡くのを認めた、美しい女の黒髪の末なのであった。 この黒髪は二筋
三筋指にかかって手に残った。 海に沈んだか、と目に何も見えぬ。 四ツの壁は、....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
てあった。 わたくし、此頃髪の前鬢を櫛で梳きますと毛並の割れの中に白いものが二筋
三筋ぐらいずつ光って鏡にうつります。わたくしは何とも思いません。然し強いて人に見....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
して、つうさん、つうさんと呼ばれておりました。そこで私は、三本足というて、襟足を
三筋塗り残して、襟足を細そりみせる花嫁のお化粧をいたしてやりました。その折りに、....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
それから末松の方へ、能登浦、第一歩の草鞋を踏むと、すぐその浜に、北海へ灌ぐ川尻が
三筋あって、渡船がない。橋はもとよりで、土地のものは瀬に馴れて、勘で渉るから埒が....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、やがて軍鶏の威毛を戦き揺いで、それから鶏を手から落した咄嗟の、お夏の水髪を二筋
三筋はらはらと頬に乱して、颯と吹いてそのまま寂寞。 この名残であろう、枝に結え....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
り、云云。 府下牛込小石川辺りにてなすところを聞くに、「麻糸の中に婦人の髪の毛
三筋入れ、その縄を七五三に結う」という。 以上、諸国に行わるるところの仕方は種....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
はおらぬ。青柳へ下って帰らぬので、冬は大かた里にいるという。 茶屋の前から道は
三筋に分れる。池の茶屋へゆくもの、デッチョーの茶屋へ向うもの、他の一つは奈良田へ....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
りましたの」 すると、及川はぐっと口を結んだが、額の小鬢には興奮の血管が太く二
三筋現れました。けれどやがてその興奮をも強く圧えてから云った。 「つまり、私があ....