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三色版
「三色版〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三色版の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
郊外に出づれば、頭を現わすべく、茅岳、金岳より、近き山々、皆冬枯の薄紫にて、淡き
三色版そのまま、御阪山脈の方向は富士山なくんば見るに足らず、富士の雪は夕陽に映る....
「蓄音機」より 著者:寺田寅彦
享楽する事をとがめてはならないと思うものである。 蓄音機でいい音楽を聞くのと、
三色版で名画を見るのとはちょっと考えると似ているようで実は少し違ったところがある....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
度までは進歩したが、その色彩はまだきわめて単調でなまなましくて、かろうじて安物の
三色版の水準にしか達していない。それがためにかえって画面の明暗の調子を攪乱し減殺....
「モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
アルプスと碧い湖と林とを見る。何より先自然の美観が彼に作用し、各々の才能に従って
三色版のエハガキのようにか、或は散文詩のようにか彼の印象記を書かせるであろう。ロ....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
ジンスキーのシンクロミーなどというものに対して理解を持ち兼ねるものであるが、ただ
三色版などで見るこれらの絵について自分が多少でも面白味を感ずる色彩の諧調は津田君....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
がしきりにドスドス落ちてくる。拾ってみるとロシア・キャンデーを詰合せた化粧箱で、
三色版のクレムリン宮の絵の上にロシア語で、〈モスクワ製原始爆弾(原子爆弾にあらず....
「日記」より 著者:宮本百合子
感じずには居られない。 きのう、『時事』の附録の岡田三郎助氏の描かれた御肖像の
三色版が来たのを見て、自分は、自分の心持を反省せずには居られなくなった。 若し....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
れる傾向があったので、コン吉にはコン吉の意見があるのである。がしかし菓子箱の蓋の
三色版画の中にでもいるようなこの愛《め》ぐしき令嬢の願いを、当惑や自尊心だけで、....
「院展日本画所感」より 著者:和辻哲郎
した時、画面の印象よりもまずその油絵風の筆触に眼を奪われたのである。そうしてその
三色版じみた模倣に呆れたのである。しかし近よって子細に検すると、麦のくきや穂や葉....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
は、フランクリン、リンコルン、ビスマークだ、西郷南洲、そうした世界的英雄の廉物の
三色版がさも大業に掲げられてあった。なるほど、此処は明治の二十年代だなと思うと、....