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三軒
「三軒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三軒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ま》の平六《へいろく》、高市《たけち》の多襄丸《たじょうまる》と、まだこれから、
三軒まわらなくっちゃ――おや、そう言えば、油を売っているうちに、もうかれこれ未《....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
硝子戸《ガラスど》の音らしかった。僕は新年号の仕事中、書斎に寝床をとらせていた。
三軒の雑誌社に約束した仕事は三篇とも僕には不満足だった。しかし兎《と》に角《かく....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
ごろと転げ出しているだろう。その音を聞きつけて、往来の子供たちはもとより、向こう
三軒両隣の窓の中から人々が顔を突き出して何事が起こったかとこっちを見る時、あの子....
「春昼」より 著者:泉鏡花
、鶏が羽うつような梭の音を慕う如く、向う側の垣根に添うて、二本の桃の下を通って、
三軒の田舎屋の前を過ぎる間に、十八、九のと、三十ばかりなのと、機を織る婦人の姿を....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
どうだ、女房さん附合いねえ。御亭主は留守だが、明放しよ、……構うものか。それ向う
三軒の屋根越に、雪坊主のような山の影が覗いてら。」 と門を振向き、あ、と叫んで....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
温泉に火事がありました。ために、木賃らしい、この方に柄相当のなんぞ焼けていて、二
三軒残ったのは、いずれも玄関附だからちとたじろいだ次第なんでございますが。 え....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
れば、こまごまとした貸家もある、それはある。が、表のこの町内は、俺が許と、あと二
三軒、しかも大々とした邸だ。一遍通り門札を見ても分る。いやさ、猫でも、犬でも分る....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
、且つ酸き事、狸が咽せて、兎が酔いそうな珍味である。 このおなじ店が、筵三枚、
三軒ぶり。笠被た女が二人並んで、片端に頬被りした馬士のような親仁が一人。で、一方....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
、鳴く音はもとより、ともすると、驚いて飛ぶ鳥の羽音が聞こえた。 一二軒、また二
三軒。山吹、さつきが、淡い紅に、薄い黄に、その背戸、垣根に咲くのが、森の中の夜が....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、軒提灯やら、そこは通った。」 三 「はい、あの軒ごと、家ごと、向
三軒両隣と申しました工合に、玉転し、射的だの、あなた、賭的がござりまして、山のよ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
袖垣、枝折戸、夏草の茂きが中に早咲の秋の花。いずれも此方を背戸にして別荘だちが二
三軒、廂に海原の緑をかけて、簾に沖の船を縫わせた拵え。刎釣瓶の竹も動かず、蚊遣の....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
けるわい。ここぞという極めが着いた処で、印を付けておくんじゃ。私も初手の内は二軒
三軒と心覚えにしておいたが、蛇の道は蛇じゃ、段々その術に長ずるに従うて、蔓を手繰....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
と、今の王立新市場のある通へでました。けれどそれはただのだだっ広い草原でした。二
三軒みすぼらしいオランダ船の船員のとまる下宿の木小屋が、そのむこう岸に建っていて....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
しかったので、ミケルも自活しなければならなかった。幸いにもミュースの入口から二・
三軒先きにあるブランド町の二番地に、ジョージ・リボーという人の店があった。文房具....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
口は見通しで、二十日に近い路地の月夜、どうしたろう、ここの戸は閉っておらず、右に
三軒、左に二軒、両側の長屋はもう夜中で、明い屋根あり、暗い軒あり、影は溝板の処々....