三途[語句情報] »
三途
「三途〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
三途の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
獄《じごく》の底に当って居りますから、水晶《すいしよう》のような水を透き徹して、
三途《さんず》の河や針の山の景色が、丁度|覗《のぞ》き眼鏡《めがね》を見るように....
「幻談」より 著者:幸田露伴
のさまを見て吉はまた声をかけました。 「それは旦那、お客さんが持って行ったって
三途川《さんずのかわ》で釣をする訳でもありますまいし、お取りなすったらどんなもの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
って木戸をはいって、獄門首のさらされている藪のきわや、骸骨の踊っている木の下や、
三途の川や血の池や、それらの難所をともかくも通り越して二筋道の角に出た。 最初....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
わぬ経を門前の、小僧に聴かれた上からは、覚えた経(今日)が飛鳥(明日か)の流れ、
三途の川へ引導代り、その首貰った、覚悟しろ!」 そう言い終ると、五右衛門は仔細....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
《わたり》八右衛門など一人当千の勇士の面々、火の中にもあれ水の中にもあれ、死出|
三途《さんず》主従一緒と思詰めたる者共が堪《たま》り兼ねてツツと躍り出た。伊達の....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
ではあるまい。あの刑事なら右腕をつけ根のところから千切られて、今頃は蒼い顔をして
三途の川を歩いている筈だった。――が、それにしても、声音が似ているので、貫一はぞ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
々たり。 雪女細い声。 「はい……冷とうござんすわいな。」 「ふん、それはな、
三途河の奪衣婆に衣を剥がれて、まだ間が無うて馴れぬからだ。ひくひくせずと堪えくさ....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
めない境遇だったし、新聞社の掲示板の前へ立つにも、土地は狭い、人目に立つ、死出|
三途ともいう処を、一所に※った身体だけに、自分から気が怯けて、避けるように、避け....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
るほど寒くはありませんから、まず可いとして、その隅っ子の柱に凭掛って、遣手という
三途河の婆さんが、蒼黒い、痩せた脚を突出してましてね。」 ……褌というのを……....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ずると引張るから、はあ、こりゃおいでなすったかい。婆さんが衣ものを脱ぐんだろう、
三途川の水でも可い、末期に一杯飲みてえもんだ、と思いましたがね、口へ入ったなあ冷....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
。」 「面白い。いや、真剣だ。――天人にはまだ修業が足りない。地獄、餓鬼、畜生、
三途が相当だ。早い処が、舞台で、伯竜の手から、羽衣を返された時、博覧会の饅頭の香....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
体に外套を引被って、……ちっとはおまけでしょうけれどもね、雪|一条、土塀と川で、
三途のような寂しい河岸道へ飛出して、気を構えて見ますとね、向うへとぼとぼと行くの....
「叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
。小林蹴月君も訃音におどろかされて駈け付け、左の短尺を霊前に供えられる。 今頃は
三途の秋のスケッチか 蹴月 書きさしの墨絵の月やきり/″\す 同 露ほろり....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
その楽しみを続けた。その時の楽しみは一生忘れられません。その翌日は非常に厳い坂で
三途の脱れ坂というのを踰えねばならん。ところが幹事は誠に親切な人でヤクを貸して上....
「西航日録」より 著者:井上円了
雨はなはだし。船体の動揺一方ならず、余はじめて船病にかかる心地せり。 嗚呼こゝが
三途の河の出店かと思うて渡るドーバーの瀬戸 四時間にしてベルギー国オステンデ(....