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「三陸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

三陸の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
巻岬というのは、海中に半浬ほども突き出した岩鼻で、その沖合には悪性の暗礁が多く、三陸沿海を南下してくる千島寒流が、この岬の北方数浬の地点で北上する暖流の一支脈と....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
るわけなり。されば南シナ海の低気圧は岐阜愛知に洪水を起こし、タスカローラの陥落は三陸に海嘯を見舞い、師直はかなわぬ恋のやけ腹を「物の用にたたぬ能書」に立つるなり....
石狩川」より 著者:本庄陸男
わり目には、馴れた船頭も首をひねった。その難路も乗りきったのだ。ハコダテの港から三陸の海に出て、彼らの上陸地たる荻の浜までおよそ二百六十英里。そう運用方の乗組み....
諸物転身の抄」より 著者:宮本百合子
の子を別にとり出し、焼いて私にもたべさせてくれた。辛いけれども、美味しく思った。三陸では鰯がこれまでどっさりとれて、ぐるりの地方の農村では肥料にことかかなかった....
日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
には、陸奥に地震があって海嘯が起り、無数の溺死人を出したが、これは明治二十九年の三陸海嘯の先駆をなす記録であろう。元慶二年九月に相模、武蔵をはじめ関東一円に地震....
津浪と人間」より 著者:寺田寅彦
の人命と多額の財物を奪い去った。明治二十九年六月十五日の同地方に起ったいわゆる「三陸大津浪」とほぼ同様な自然現象が、約満三十七年後の今日再び繰返されたのである。....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
、すぐ人命の危険が迫ります。今朝の新聞で見ると、たった一寸五分程ゆれたのに。然し三陸の大地震以来の由。戸塚の達枝が高田せい子のお弟子なので義理の切符を買い、お久....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
どない。しかしフグがとれないかというと大マチガイで、下関や福岡あたりの海よりも、三陸の海の方が無限にフグがとれるほどだ。もっとも外の魚が更に無限にとれるのである....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
一 この追憶随筆は明治二十九年を起点とする四、五年に当るから、日清戦役が済んで遼東還附に関する問題が囂しく、また、東北三陸の大海嘯があり、足尾銅山鉱毒事件があり、文壇では、森鴎外の『めさまし草』、与....
月光の下」より 著者:田中貢太郎
が云った。 壮い漁師は間もなく発狂してしまった。これは明治二十九年六月十五日の三陸の海嘯が生んだ怪談の一つである。....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
さがいつもヤブニラミで的を外れていたのさ。 ★ この県には三陸の漁場をひかえて、塩竈、石巻という二ツの市、気仙沼、女川、渡波などという漁港....
回想録」より 著者:高村光太郎
何かあの頃は、そういう神秘的なようなことが頻りと行われた。盤梯山が破裂したり、三陸の津浪が起ったり、地震があったり、天変地異が頻々とあって、それにも少年の自分....
智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
だやかであった。悲しい時には涙を流して泣いたが、又じきに直った。 昭和六年私が三陸地方へ旅行している頃、彼女に最初の精神変調が来たらしかった。私は彼女を家に一....
鮪を食う話」より 著者:北大路魯山人
であるが、これは質がわるいとされている。まぐろの一番|美味いのは、なんといっても三陸、すなわち岩手の宮古にある岸網ものである――ということになっている。 私の....