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「三階〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

三階の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
しょう?」 男はかれこれ二週間ばかり、彼等が窮屈な思いをして来た、日当りの悪い三階の部屋が一瞬間眼の前に見えるような気がした。――塗りの剥《は》げた窓側《まど....
或る女」より 著者:有島武郎
村で、四角な箱に窓を明けたような、生々《なまなま》しい一色のペンキで塗り立てた二三階建ての家並《やな》みが、けわしい斜面に沿うて、高く低く立ち連なって、岡の上に....
或る女」より 著者:有島武郎
や小半時《こはんとき》もそうしたままでいると、帳場でぼんぼん時計が九時を打った。三階にいるのだけれどもその音はほがらかにかわいた空気を伝って葉子の部屋《へや》ま....
宣言一つ」より 著者:有島武郎
ソーやヴォルテールなどの思想が縁になって起こった革命であっただけに、その結果は第三階級者の利益に帰して、実際の民衆すなわち第四階級は以前のままの状態で今日まで取....
想片」より 著者:有島武郎
るのを告白せざるをえない。 かかる場合私の取りうる立場は二つよりない。一つは第三階級に踏みとどまって、その生活者たるか、一つは第四階級に投じて融け込もうと勉《....
婦系図」より 著者:泉鏡花
。 「早瀬、」 「は、」 「降りるんだ。」 一場展開した広小路は、二階の燈と、三階の燈と、店の燈と、街路の燈と、蒼に、萌黄に、紅に、寸隙なく鏤められた、綾の幕....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
一ツつかつかと階子段を上って行くので、連の男は一段踏掛けながら慌しく云った。 「三階か。」 「へい、四階でございます。」と横に開いて揉手をする。 「そいつは堪ら....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
たが、あとで注意すると、環海ビルジング――帯暗|白堊、五階建の、ちょうど、昇って三階目、空に聳えた滑かに巨大なる巌を、みしと切組んだようで、芬と湿りを帯びた階段....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
さて続いて、健ちゃんに、上野あたりの雪景色をお頼み申そう。 清水の石磴は、三階五階、白瀬の走る、声のない滝となって、落ちたぎり流るる道に、巌角ほどの人影も....
」より 著者:池谷信三郎
そこに飾られた無数の時計は、世界じゅうのあらゆる都市の時間を示していた。…………三階の洋服売場の前へひょっこりと彼が現れた。 ――モーニングが欲しいんだが。 ―....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
」 「下さいな、下さいなッて、そういうとね。穴が開いて、こわれごわれで、鼠の家の三階建のような、取附の三段の古棚の背のね、物置みたいな暗い中から、――藻屑を曳い....
黒百合」より 著者:泉鏡花
て、はじめは、湯島三丁目に名高い銀杏の樹に近い処に、立派な旅籠屋兼帯の上等下宿、三階|造の館の内に、地方から出て来る代議士、大商人などを宿して華美に消光していた....
歯車」より 著者:芥川竜之介
マアル……」 三十分ばかりたった後、僕は或ビルディングへはいり、昇降機に乗って三階へのぼった。それから或レストオランの硝子戸を押してはいろうとした。が、硝子戸....
しっかり者のすずの兵隊」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
風が吹きこんで来たためであったか、だしぬけに窓がばたんとあいて、一本足の兵隊は、三階からまっさかさまに下へおちました。どうもこれはひどいめにあうものです。兵隊は....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
坐って抜衣紋で、客の懐中を上目で見るいわゆる新造なるもので。 三十の時から二階三階を押廻して、五十七の今年二十六年の間、遊女八人の身抜をさしたと大意張の腕だか....