三面鏡[語句情報] » 三面鏡

「三面鏡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

三面鏡の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女百貨店」より 著者:吉行エイスケ
人形に装飾されて、その下に並べられた化粧品からは嗜好的な香が発していた。 奥の三面鏡にはたえまなく綺羅を着かざったブルジョワ婦人が、三面鏡があたえる美化された....
ナポレオンと田虫」より 著者:横光利一
しなされませ。御無理をなされますと、私はウィーンへ帰ります」 磨かれた大理石の三面鏡に包まれた光の中で、ナポレオンとルイザとは明暗を閃めかせつつ、分裂し粘着し....
河明り」より 著者:岡本かの子
はその後、二度程私の部屋に来た。一度は「ほんとに気がつきませんで……」といって、三面鏡の化粧台を店員たちに運ばせて、程よい光線の窓際に据えて行った。一度は漢和の....
道標」より 著者:宮本百合子
ごのみの壁紙ではってあるその勾配の下に、三階の室にあったものより粗末な化粧台が、三面鏡のかわりに単純な一面の鏡をもって置かれている。一人室のここでも寝台はやっぱ....
スポールティフな娼婦」より 著者:吉行エイスケ
々うるさそうに鼾をかくのをみた。するとそこに微かに弾丸の傷痕が見られた。 私は三面鏡の抽斗から、煉白粉をとりだすとマリの鼻を厚化粧してしまった。 お六が南京....
漱石の「行人」について」より 著者:宮本百合子
の者の常識に不安を与える結果となっている。漱石はこの小説で自己というものを苛酷な三面鏡のうちに照り出そうとした。一郎、二郎、Hさん。漱石の内部には一郎が厳然と日....
春桃」より 著者:宮本百合子
うたれるのは、私一人ではなかろうと思った。パール・バックの作品を近代の堂々とした三面鏡にたとえるならば、冰心女士のこの小説は、紫檀の枠にはめこまれた一個の手鏡と....
この初冬」より 著者:宮本百合子
るのではないかしら。見えないところでというのは、婦人雑誌の口絵などでは、やっぱり三面鏡のついた化粧台が若い女性の憧れの象徴のように出されたりしているのだから。 ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
こぢんまりした一室が、居心地よく装飾され、スプリングの心地よいソファ・ベッドや、三面鏡や、簡単な衣裳箪笥が置かれていた。その行き届いた快さに、新子は茫然として立....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
をおとす、うす暗いところから返事があった。 「サト子なの?」 右手の壁ぎわに、三面鏡や、電蓄や、レコードの箱や、雑多なものをかた寄せ、その反対側に、夜卓《やた....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
ろうど》の長椅子としゃれた小床几《ダブウレエ》がどっかりと置かれ、反対の側には、三面鏡のついた、世にもみごとな化粧台があって、香水ふきや白粉いれがピカピカ光りな....