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上げ下げ
「上げ下げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上げ下げの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
ものだったと思う。と云うのは先生が、まるで羽根を抜かれた鳥のように、絶えず両手を
上げ下げしながら、慌《あわただ》しい調子で饒舌《しゃべ》った中に、
「諸君にはま....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
《ながしめ》をして 「どのくらい目方があるかを量ってみてよ」 柚木は二三度膝を
上げ下げしたが 「結婚適齢期にしちゃあ、情操のカンカンが足りないね」 「そんなこ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
っても波の背に乗っても、舳は依然として下に向いたままである。風の強弱に応じて帆を
上げ下げする様子もない。いつまでも目の前に見えながら、四十五度くらいに船首を下向....
「赤外線男」より 著者:海野十三
ームに立ち並ぶ人影も疎らであった。 あの六番線のホームには、中央あたりに荷物|
上げ下げ用のエレヴェーターがあって、その周囲は厳重な囲いが仕切られて居り、その背....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
肩を捉えて、うす紫の唇に小粒な白い歯をもって行く。薫は黙って吸わせたままに、足を
上げ下げして、おとなしく泳いでいたが、小初ほど水中の息が続かないので、じきに苦悶....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
すわ。たかが、窓を開けるだけに呼びつけておいて、あの位置にするまでに、それは何度
上げ下げしたことだったでしょう」
クメルニツキーの大迫害――。その内容は三人の....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
て響き渡る。 静かに老婆は立ち上がった。それから両手を差し出した。それを上下へ
上げ下げする。何かを招いているらしい。 と、城下の方角から、一つの黒点があらわ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
物は、戦艦をこの塔へひっぱりつけたほどの怪力機械をもっているのだから、この怪塔を
上げ下げすることなんか朝飯前だろう」 「な、なーるほど」 一彦ははじめて塔が地....
「街頭」より 著者:岡本かの子
スマン通りへ送り出されると其処で始めてわれに返った。そして今見た人形のように手を
上げ下げした。洋傘を持った郊外の人も。 みんな飽きていたのだ。――感情で動く動....
「博物誌」より 著者:岸田国士
せぬかと思う。 どうして、どうして。彼は矯正帽でもかぶるように、その大きな頭を
上げ下げして、素直にあとすさりをしながら、轅の間にはいる。 だから、私も彼には....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
の彼女から見れば、まるで不自由そのものであった。ちょっと外出にも女中が付き、箸の
上げ下げにも作法があった。 「簡単」ということが卑しまれ「面倒臭い」ということが....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
い土塀、たとえ大砲を打ちかけても、壊れそうもない厳重な門、海水をたたえた深い堀、
上げ下げ自由な鉄の釣り橋、え、オイまるで砦じゃないか」 「おれの知ったことじゃね....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
。「お前は素性を知っているのかな?」
すると兵馬は覆面した顔を、上下へ二、三度
上げ下げして「さよう」という意味を現わしたが、「私にとりましてはお粂という女は、....
「審判」より 著者:カフカフランツ
すでにきわめてゆっくりと、あえぎながら登っていた。女は手で下のKに合図をし、肩を
上げ下げして、自分はこの誘拐に何も罪がないのだ、ということを示そうとするのだが、....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
た。夕ぐれ庫裡へ行燈の油を取りに行く僧も、薬石と名づけられる夕飯を取り囲んで箸を
上げ下げしている衆僧も、饑え渇ける異形のものとしか見えなかった。彼は独居の部屋に....