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上す
「上す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「竜」より 著者:芥川竜之介
にも天気ぐらいは変るかも知れませぬて。聞けばあの猿沢の池から三月三日には、竜が天
上するとか申すではござらぬか。』と、したり顔に答えました。これを聞いた恵門は疑わ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
流し眼に彼の顔を覗きこんで、
「その代り君には御礼をするよ。刀が欲しければ刀を進
上するし、玉が欲しければ玉も進
上するし、――」
「駄目ですよ。その勾玉《まがたま....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
千里飛べる長靴、第二が鉄さえ切れる剣、第三が姿の隠れるマントル、――それを皆|献
上すると云うものだから、欲の深いこの国の王様は、王女をやるとおっしゃったのだそう....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
と赤インキで二重丸をうった見出しで、「ラジウムを発見したる者には、金五百円也を呈
上するものなり」と、墨痕あざやかに認めてあった。この掲示が出て騒ぎは一段と大きく....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
三千年、わが国最初の降伏事態発生す。 ◯この日雨雲低く、B29其の他百数十機、頭
上すれすれに、ぶんぶん飛びまわる。 ◯サイパン放送局の祝賀音楽聞こえる。 アナ....
「火薬船」より 著者:海野十三
れ、舳をてんじて北の方へ快速力で航行していった。 ノーマ号も、その後を追って北
上するかとおもわれたが、どうしたものか、急に針路をかえ南西に転じた。 「あれっ、....
「怪塔王」より 著者:海野十三
な荒天にあったのははじめてだ」 小浜兵曹長は、篠つく雨の中に愛機を操縦して、海
上すれすれに飛びつづけます。 「はて、ここは一たいどこの海面かしら」 太平洋で....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
役に立ちます。停っている飛行機が、出発を始めたからといって、摩擦やエンジンの性能
上すぐ全速力を出せるものではありません。ですから無限軌道の上で全速力を出せるまで....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
たのを、握って離すと、スポイト仕掛けで、衝と水が迸る。 鰒は多し、また壮に膳に
上す国で、魚市は言うにも及ばず、市内到る処の魚屋の店に、春となると、この怪い魚を....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
瓜のような大きな鼻の生えます処でございますもの、うっかり入ろうものなら、蚯蚓の天
上するのに出ッくわして、目をまわしませんければなりますまいではございませんか。」....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
る通り、多く見受ける竜神は大てい蒼黒い色をして居るであろうが……。それが一|段向
上すると浅黄色になり、更に又向
上すると、あらゆる色が薄らいで了って、何ともいえぬ....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
おいて功利主義と矛盾しないけれども、そこにとどまらないではるかにそれを突破して向
上するものであるからむろん理想主義である。 五 宗教観 宗教に関しては、....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
た。不味い下宿屋の飯を喰っていても牛肉屋の鍋を突つくような鄙しい所為は紳士の体面
上すまじきもののような顔をしていた。が、壱岐殿坂時代となると飛白の羽織を着初して....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
を遣したが、紋切形の無沙汰見舞であった。半歳ほどして上京したが、その時もいずれ参
上するという手紙を遣しただけでやはり顔を見せなかった。U氏から後に聞くと、U氏が....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
形多少の高低なきにあらざるも、概して平原なり。家屋は二階または三階を限りとし、屋
上すべて赤瓦を用うるも、壁色はスペインと同じからず。遠山は雲煙に隔てられて、望中....