上の男[語句情報] »
上の男
「上の男〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上の男の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
う訳で、大変お待たせしまして、恐縮です」 その時給仕があわててはいって来て、壇
上の男に何か耳打ちした。 「えー、いまその男から電話が掛って来たそうであります。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ないから」と、若い男は溜息まじりに云った。 「ひどく聖人になり澄ましたな」と、年
上の男はあざわらった。「ええ、おい。嘘にもほんとうにもしろ、お嬢さんと駈け落ちを....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
、電車道を歩いていた時、子を抱いたまま、すんでのことで引き倒されかけた。 その
上の男の子が、どこからか、「馬鹿馬鹿しいわい」という言葉をおぼえて来て、そのころ....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
ぎわに身を隠した。 「ああ――、静まれ、静まれ。いま重大な布告があるぞオ」 車
上の男は、各国語で、同じことをペラペラと叫んだ。その車の奥を見ると、僕はギクリと....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
つか八つまでの頃だと思う。隣りに大川津という大工がいて、そこに僕よりも一つ二つ年
上の男の子と、やはりそのくらい年下の女の子といた。僕はその二人と友達だった。 ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
親しき息は海に通い ささやきは胸に通い ………… 浪枕 社長は私が話した海の
上の男と、娘との間の複雑した事情は都合よく忘れて仕舞い、二人の間の若い情緒的なも....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ていたが、いずれも後ろ手にくくり上げられて恐るおそるに頭を垂れてひざまずくと、石
上の男はかれらを一人ずつ自分の前に召し出して、下衣を剥がせて地にひき伏せ、鞭をあ....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
にかくれもなきアバタ男猿飛佐助とは俺のことだ」 と、あの字づくしで答えると、楼
上の男は心得たりと、 「いみじくも名乗った。手八丁口八丁の、ても天晴れなる若者が....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
き、探偵は二度目の呻り声をあげた。 クーペは薄紫のガソリン排気を後にのこし、車
上の男女は視界から去った。 探偵はようやく吾に戻って、周章てだした。 「あんな....
「死者の書」より 著者:折口信夫
あざやかに見えて来た。 近々と、谷を隔てて、端山の林や、崖の幾重も重った上に、二
上の男岳の頂が、赤い日に染って立っている。 今日は、又あまりに静かな夕である。山....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
日のあたる三方窓の教室の隅で、単行本や雑誌を交換し合った。 私はその秋に、一年
上の男生徒に好意を持ちはじめた。彼は支那風の大きな邸宅に住む坊ちゃんで青白い顔を....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
めいて来た頃に、隣り村の源右衛門という百姓が突然拘引された。源右衛門はもう五十以
上の男で、これまで別に悪い噂もきこえない人間であっただけに、かれが尼殺しの嫌疑者....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
――男の子が二人、女の子が二人――みんな女親に似てなかなか色白であった。いちばん
上の男の子は十一ばかりで、いちばん下の女の子は三つになるかならないようであった。....
「光は影を」より 著者:岸田国士
「それが、年を取るほど開きが大きくなるんですよ。女も三十近くなると、もう、六十以
上の男でなけれや、相手にしないんですつて……」 と、京野等志は、母をからかうよ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
うち九十八人は婦人、三十一人は男子なり。その年齢は十二、三歳の子供かまたは四十以
上の男女にして、みな下等の人物のみ。 フランスの旧教にては、十七人の大教正と六....