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上り
「上り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
ときわぎ》のかげにあるベンチ。背むしはやはり焼き芋を食っている。少年はやっと立ち
上り、頭を垂れてどこかへ歩いて行《ゆ》く。
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斜め....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
無理はなかった。彼女はこの五六年以来、東京の或近在に玄鶴が公然と囲って置いた女中
上りのお芳だった。
お鈴はお芳の顔を見た時、存外彼女が老《ふ》けたことを感じた....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
こんな挨拶の言《ことば》を述べた。
「夜中《やちゅう》、殊に御忙しい所を御邪魔に
上りまして、何とも申し訳の致しようはございませんが、ちと折入って先生に御願い申し....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
なみぐら》の上には、もの凄いように赤い十六夜《じゅうろくや》の月が、始めて大きく
上り始めました。私はさっきあの芳年《よしとし》の浮世絵を見て、洋服を着た菊五郎か....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
かまで、一度も遇ったと云う記憶はない。午前もお嬢さんの乗る汽車は保吉には縁のない
上り列車である。
お嬢さんは十六か十七であろう。いつも銀鼠《ぎんねずみ》の洋服....
「女」より 著者:芥川竜之介
熱に※《ねじ》られながら、かすかに甘い※《におい》を放っていた。雌蜘蛛はそこまで
上りつめると、今度はその莟と枝との間に休みない往来を続けだした。と同時にまっ白な....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
《けんぞう》は、夏外套《なつがいとう》をひっかけたまま、うす暗い梯子《はしご》の
上り口へ胸まで覗《のぞ》かせているだけだった。
「どうもお律《りつ》の容態《よう....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
夜の事である。当時大学の学生だった本間さんは、午後九時何分かに京都を発した急行の
上り列車の食堂で、白葡萄酒《しろぶどうしゅ》のコップを前にしながら、ぼんやりM・....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
いもよらない火事の煙が、風の断《た》えた中空《なかぞら》へ一すじまっ直《すぐ》に
上り始めた。老人はその煙の中に立ち昇る火の粉を眺めても、やはり膝を抱きながら、気....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
になっている事でしょう。事によると今夜あたりは、琉球芋《りゅうきゅういも》を召し
上りながら、御仏《みほとけ》の事や天下の事を御考えになっているかも知れません。そ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
子の泣き声です。日本人はその声を聞くが早いか、一股に二三段ずつ、薄暗い梯子を駈け
上りました。そうして婆さんの部屋の戸を力一ぱい叩き出しました。 戸は直ぐに開き....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
月の出を見出でて」去り得ない趣さえ感じたことがある。愛すべき三汀、今は蜜月の旅に
上りて東京にあらず。………… 小春日や小島眺むる頬寄せて 三汀....
「初雪」より 著者:秋田滋
馬鹿にならないものであることを知った。季節によって、卵の値段には幾サンチームかの
上り下りがある。彼女にはその卵の値段にも興味がもてるものだと云うことが解った。 ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
とめて勇気を振い起し大願成就なさしめたまえと明神の祠を遙拝して、末|覚束なき旅に
上りぬ。路用として六円余、また東京へ着して三四ヶ月の分とて三十円、母が縫いて与え....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
しに降りて行って、穴のたくさんある白いエプロンをつけて、器械の内で働き出す。兵隊
上りのアンデルソンという男が侍して、何でも言いつけられた通り(それ以上もしなけれ....