上り下り[語句情報] » 上り下り

「上り下り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

上り下りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
おこの街道から脱けられなくなり、家を離散さしてから二十年近くも東海道を住家として上り下りしていると語った。 「こういう人間は私一人じゃありませんよ。お仲間がだい....
河明り」より 著者:岡本かの子
もなるのに、階段を伝って、二室ある筈のそこへ出入りする人を見たことがない。階段を上り下りする人間は、大概顔見知りの店員たちで、それは確に、三階の寝泊りの大部屋へ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
て暇を貰いまして、ここへ来ましてから足かけ五年、毎日根気よく渡し場へ出て行って、上り下りの旅人を一々にあらためていましたが、野村とも彦右衛門ともいう者にどうして....
単独行」より 著者:加藤文太郎
して、随分時間を食った。全部尾根通しに東沢側ばかりを歩いた。悪場を過ぎてからも、上り下りが意外に悪く、かつ眺望がないため一層疲れた。風の非常に強いときなどは、ス....
怪星ガン」より 著者:海野十三
り、この橋はまっすぐに伸び、やがてはしに達します。そこにはエレベーターがあって、上り下りしています。それに乗って、下までおりてごらんになるよう、おすすめします。....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
ヒトミは目をみはった。 数字をかいた円盤は、エレベーター仕掛《じか》けになって上り下りできるようになっていた。それは樽ロケットをのせて二の扉のところまで下ると....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
って行く。……これが落ちた大な門で、はたして宗吉は拾われたのであった。 電車が上り下りともほとんど同時に来た。 宗吉は身動きもしなかった。 と見ると、丸髷....
獄中消息」より 著者:大杉栄
とばかり考えている。退屈になると石盤を出して放免の日までの日数を数える。裏を通る上り下りの汽車の響きまでがいやに帰思を催させる。したがって始終気も忙しなく、また....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
七八十戸もあって、村の入口には商売店なども少しはある。――昔は奥州街道の一部で、上り下りの大名の道中や、旅人の往来などでかなりに繁昌したそうだが、汽車が開通して....
初雪」より 著者:秋田滋
馬鹿にならないものであることを知った。季節によって、卵の値段には幾サンチームかの上り下りがある。彼女にはその卵の値段にも興味がもてるものだと云うことが解った。 ....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
大須を過ぎ、明神山から屏風山を越えて、はじめて越前へ出るのであるが、そのあいだに上り下りの難所の多いことは言うまでもない。 叔父は足の達者な方であったが、なん....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
せるんだが、部屋の中はさすがに鉄瓶の湯気や炬燵のぬくもりで溶けるだろう。階子段を上り下りするように、日に幾度屋根へ出入りをしたか知れないとさ。観音様に見えますと....
エキゾチックな港街」より 著者:小野佐世男
すてばちで、ただ暗い夜空をながめているようでならない。SASEBOは、朝鮮戦線の上り下りがまるで脈搏のようにはっきりひびいてくるのはなんとなく心細い様子である。....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
今の芝居道の習慣が悪いのだ。芝居道ばかりでなく、一部の観客もまた悪いのだ。俳優の上り下り、その都度に相当の配り物や義理|捌きをしなければ、あいつは物を知らない奴....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
々たる水は宛がら一大湖水を湛わし、前岸有れども無きが如くにして、遠く碧天に接し、上り下りの帆影、真艫に光を射りて、眩きまでに白し。其の闊大荘重の景象、自ら衆川の....