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上る
「上る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
なぞも、ちらりと小耳《こみみ》に挟んでいた。求馬は勿論喜んだ。が、再び敵打の旅に
上るために、楓と当分――あるいは永久に別れなければならない事を思うと、自然求馬の....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
と切れるのを見たそうである。半三郎は、――これは常子の話ではない。彼女は夫の飛び
上るのを見たぎり、長椅子《ながいす》の上に失神してしまった。しかし社宅の支那人の....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
《ぐずぐず》している場合じゃない――そんな事もはっきり感じられた。彼はすぐに立ち
上ると、真鍮《しんちゅう》の手すりに手を触れながら、どしどし梯子《はしご》を下り....
「女」より 著者:芥川竜之介
》いほどもう白々《しろじろ》と、真夏の日の光を照り返していた。
蜘蛛は巣が出来
上ると、その華奢《きゃしゃ》な嚢の底に、無数の卵を産み落した。それからまた嚢の口....
「影」より 著者:芥川竜之介
、――」
陳は際《きわ》どい息を呑んで、手近の松の幹を捉《とら》えながら、延び
上るように二階の窓を見上げた。窓は、――二階の寝室の窓は、硝子《ガラス》戸をすっ....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
、夜でも明けたように鬨《とき》をつくっているではないか?
オルガンティノは飛び
上るが早いか、アビトの両腕を拡げながら、倉皇《そうこう》とこの鳥を逐い出そうとし....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
煙草のロシアの紙巻よりも柔かなるが如し。のみならず作中の風景さえ、久保田君の筆に
上るものは常に瀟洒たる淡彩画なり。更に又久保田君の生活を見れば、――僕は久保田君....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ているが、夜は墨染の法衣《ころも》が翼になって、八阪寺《やさかでら》の塔の空へ舞
上るなどと云う噂もございましたが、元よりそれはとりとめもない、嘘だったのでござい....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
の前に引かれて行った。穂積《ほづみ》中佐はその機会に、ひとり椅子《いす》から立ち
上ると、会場の外へ歩み去った。
三十分の後《のち》、中佐は紙巻を啣《くわ》えな....
「少年」より 著者:芥川竜之介
れ、ズボンの膝は大穴のあいた、帽子《ぼうし》も何もない少年である。彼はやっと立ち
上ると、思わず大声に泣きはじめた。敵味方の少年はこの騒ぎにせっかくの激戦も中止し....
「白」より 著者:芥川竜之介
こうかい》する気さえ起りました。するとその途端《とたん》です。坊ちゃんは突然飛び
上ると、大声にこう叫びました。
「お父さん! お母さん! 白がまた帰って来ました....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
を握って、時々切って放す利《とが》り矢であった。
その白羽《しらは》の矢が舞い
上る度に、ほかの若者たちは空を仰いで、口々に彼の技倆《ぎりょう》を褒《ほ》めそや....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
ひょうし》にふと伝吉は酒臭い浄観の息を感じた。と同時に昔の怒のむらむらと心に燃え
上るのを感じた。それは父を見殺しにした彼自身に対する怒だった。理が非でも仇《あだ....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
骨も打ち砕いてしまえ」 鬼どもは一斉に「はっ」と答えながら、鉄の鞭をとって立ち
上ると、四方八方から二匹の馬を、未練|未釈なく打ちのめしました。鞭はりゅうりゅう....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
の民を主人公にし、大体三十余りの短篇を時代順に連ねた長篇だった。僕は火の粉の舞い
上るのを見ながら、ふと宮城の前にある或銅像を思い出した。この銅像は甲冑を着、忠義....