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上を行く
「上を行く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上を行くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
、その切截面の高さは、およそ二丈もあろう、右へ除け左へ避けて、思わずも雪の薄氷の
上を行くと、パリパリと氷柱が折れるような音がするので、足下を見ると、大きな穴があ....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
に包まれた中にも、ところどころに村々の人家、雑木林、森なぞを望み、雪仕度して岸の
上を行く人の影をも望んだ。その岸の上を以前私が歩いた時は、豆粟などの畠の熟する頃....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
に斬られて死にます」 「ははははは、イヤ、そうか、わかった。彼奴《きゃつ》の策の
上を行くわけだな」 対馬守は、ややしばし考えておられましたが、 「行ってやりた....
「風野又三郎」より 著者:宮沢賢治
はやっと怒るのをやめました。そこで又三郎は又お話をつづけました。 「ね、その谷の
上を行く人たちはね、みんな白いきものを着て一番はじめの人はたいまつを待っていただ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
た段氏がこれほどの事を不思議がったは馬鹿げて居る。一七八七年七月九日ロンドンの街
上を行く一紳士一貴婦にエリオット博士ちゅう学者が小銃を放ち、いずれも傷つかなんだ....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
な男に、これほど頭のさがる感じはない。暖かく心持ちよくスキーはシューシューと雪の
上を行く。雪の下を流れる小川の水は非常にきれいだ。可愛らしい小川だ。谷を一つ越す....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
な蒲団《ふとん》の上に寝かせてくれる、そうしてその大船が、千里でも二千里でも畳の
上を行くように辷《すべ》って行って、そうしてやがて、異国の陸《おか》に着いてから....
「遠野へ」より 著者:水野葉舟
った。日が暮れて行く頃のように、四辺《あたり》がしんとしている。馬車がいま絶壁の
上を行くのだ。 そのうちにちらちらと雪が降って来た。 「雪か!」といま迄、疲れ....
「帰途」より 著者:水野葉舟
と川に沿って走った。この道はH町までの間は広い野に出るかと思うと、山に沿った渓の
上を行く。 川を離れると、広い畑の中を走る。雪がむら消えをしている。畑には林檎....
「雨」より 著者:織田作之助
た。そして、結局は昨日に比べてはるかに傲慢な豹一に呆れてしまった。彼女の傲慢さの
上を行くほどだったが、しかし彼女は余裕綽々たるものがあった。豹一の眼が絶えず敏感....
「取舵」より 著者:泉鏡花
異むべき安恬! 名だたる親不知の荒磯に差懸りたるに、船体は微動だにせずして、畳の
上を行くがごとくなりき。これあるいはやがて起らんずる天変の大頓挫にあらざるなきか....
「楢ノ木大学士の野宿」より 著者:宮沢賢治
るし 空も赤くはなくなるし 足あとももう泥に食い込まない 堅い頁岩《けつがん》の
上を行く。 崖《がけ》にはゆうべの洞《ほら》もある そこまで行けばもう大丈夫《だ....
「人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
の鑑賞に堪えうるものは極めて少ない。ことによるとあの顔は山中の人よりも作品よりも
上を行くものかもしれない。近ごろ見飽きのしない顔ではあつた。 思うに山中の本当....
「イギリス海岸」より 著者:宮沢賢治
らちらちら光りました。それは一|中隊《ちゅうたい》ぐらいで、鉄橋《てっきょう》の
上を行く汽車よりはもっとゆるく、小学校の遠足の列よりはも少し早く、たぶんは中隊長....
「雨」より 著者:織田作之助
た。そして、結局、昨日に比べてはるかに豹一の傲慢にあきれかえった。彼女の傲慢さの
上を行くほどであったが、しかし彼女は、余裕釈々たるものがあった。彼女は豹一の眼が....