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「上世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

上世の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
つ寝をする様なことは致しません、素《もと》より器量は好《よ》し、様子は好し、其の上世辞がありまするので、大して客がござります。丁度十二月十六日ちら/\雪の降る日....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
雇いになり、市中の電気器具店廻りをしていたが、ふと蒔田が同郷の中学の先輩で、その上世話好きの男なのに絆《ほだ》され、しばらくその店務を手伝うことになって住み込ん....
十二支考」より 著者:南方熊楠
残れり。キリスト教は古宗教の善悪の諸竜を混同して、一斉にこれを邪物とせり、かくて上世《そのかみ》の伝説外相を変えて、ミカエル尊者、ジョージ尊者等、上帝に祈りて竜....
十二支考」より 著者:南方熊楠
三、四回ある。したがって俗伝の野槌は、かように落ち来る蝮から生じた譚で、あるいは上世水辺の蛇を、ミヅチすなわち水の主、野山の蝮をノヅチ野の主と見立てたのかとも思....
十二支考」より 著者:南方熊楠
た事ない村あったと、それ八月八日の『大毎』紙で読んだ。昨今すらこの通り、いわんや上世飼養の法も知らず、何たる要用もなく、殊には斎忌《タブー》の制煩多で、種々の動....
十二支考」より 著者:南方熊楠
えん、田畑に動物が来るを見て、原始人は穀草と動物の間に神秘な関係ありと察すべく、上世今のごとく田畑を取り囲わなんだ時には、諸般の動物自在にこれに入り行《ある》き....
女大学評論」より 著者:福沢諭吉
に足らず。古人も今人も共に社会の人にして、古今おの/\其時勢あり。我輩は不文なる上世の一例に心酔して今日の事を断ぜんとする者に非ず。畢竟《ひっきょう》するに女大....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
に傾き、西洋の美術文学は積極的美に傾く。もし時代をもって言えば国の東西を問わず、上世には消極的美多く後世には積極的美多し。(ただし壮大雄渾なるものに至りてはかえ....
四十年前」より 著者:内田魯庵
に取って代って陪臣内閣を樹立したのは、無爵の原敬が野人内閣を組織したよりもヨリ以上世間の眼を※らしたもんで、この新鋭の元気で一足飛びに欧米の新文明を極東日本の蓬....
間人考」より 著者:喜田貞吉
べき興味ある問題であるから、ここにその説を省略するが、簡単にその概要を云わんに、上世において良民と謂うべきものは、厳格に云えば百姓すなわち姓氏を有する一切の臣連....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
さい、 可哀らしい人間が、優しい姿をして 動いている。此上我々も何を望もう。 此上世界にもなんの望があろう。秘密は 白日の下に曝露せられてしまった。 あの声に耳....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
なお言わば、そのことの理非曲直の問題はしばらくこれを措くとしまして、ともかく事実上世間の多数を相手に戦うこととなりましては、現にいわゆる細民部落であり、多数の社....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
の底を傾けても、十分得心の行かれるだけの説明を致す覚悟を持っております。 実際上世間の多数の人々は、この歴史を知らないで、ただ何かなしに筋目の違ったものだと思....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
徒総流罪とは、ほとんどこの村中のキリシタンを全滅させたかに見えたが、浦上が宗教史上世界に有名なのは、その迫害にも負けず、たちまち教勢を盛りかえして固い信仰を公表....
それから」より 著者:夏目漱石
な事を云った。代助にはその調子よりもその返事の内容が不合理に感ぜられた。彼は生活上世渡りの経験よりも、復活祭当夜の経験の方が、人生に於《おい》て有意義なものと考....