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上体
「上体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
《た》つほどの痛みを覚えた。不用意に歩き出そうとした葉子は、思わずのめり出さした
上体をからく後ろにささえて、情けなげに立ちすくみながら、
「ま、ちょっと」
と....
「或る女」より 著者:有島武郎
って葉子の部屋《へや》まで響いて来た。と、倉地がいきなり夜具をはねのけて床の上に
上体を立てて目をこすった。
「九時だな今打ったのは」
と陸で聞くとおかしいほど....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
ころ》を睨《にら》みながら、苦しげというより、恐ろしげに顔をゆがめた。そして私の
上体を自分の胸の上にたくし込んで、背中を羽がいに抱きすくめた。若し私が産婦と同じ....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
て来る勢いをはずすために、彼は急に歩行をとどめねばならなかったので、幾度も思わず
上体を前に泳がせた。子供は、よけてもらったのを感じもしない風で、彼の方には見向き....
「星座」より 著者:有島武郎
は逃げを張らないのみか、一と足こっちに近づこうとするらしい。構えるように膝の上に
上体を立てなおして、企《たくら》みもしないのに、肩から、膝の上に上向きに重ねた手....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
い笑顔を苦々しげに見廻わした。クララは即興詩でも聞くように興味を催おして、窓から
上体を乗出しながらそれに眺め入った。フランシスはやがて自分の纏ったマントや手に持....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
の額のへんを二三度、撫でるようにした。 女史は、元の女らしさに立帰って、静かに
上体を起した。そしてケロリとした顔で、一座を眺めると、やや気まり悪そうに、はだけ....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
両膝をもろに床の上にドサリとつくと、ブラリと下った二本の裸腕で支えようともせず、
上体をクルリと右へ捩ると、そのままパッタリ、電車の床にうつ伏せになって倒れた。 ....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
先を中心に半円を空に描きながら、喬介の後頭部めがけて落ちて来た。と、喬介は素速く
上体を捻って、左手に持っていたスコップを、恰度頭の位置へ差出した。 ジーン――....
「食魔」より 著者:岡本かの子
霰の庭を眺め遣った。 あまり酒に強くない彼は胡座の左の膝に左の肘を突立て、もう
上体をふらふらさしていた。※気をやり、そして、人前をも憚らず反芻する癖があった。....
「火星探険」より 著者:海野十三
でも思いなやんではいられなかった。そこで彼は、思い切って両手を胸の上に組合わせ、
上体を前にまげ、そしてアメリカ語でいった。 「火星の諸君、こんにちわ。ごきげん如....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
しなくては……) と卓子の上に手を突張ろうとしたが、どうしたのかこのときに彼の
上体は意志に反してドタンと卓子の上に崩れかかった。 火焔下の金魚 八十助....
「流線間諜」より 著者:海野十三
装の麗人が喫茶ギボンの飾窓の前で立ち停ったままスローモーションの操り人形のように
上体をフラリフラリと動かしているのを認めた。 「オヤ、どうしたんだろう?」 き....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
纏の上へ短い筒袖の被布を着て、帳場に片肘かけながら銀煙管で煙草を喫っている。その
上体を支えて洗い浄められた溝板の上に踏み立っている下肢は薩摩がすりの股引に、この....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
い人も随分多いのであります。又、日常の劇務にすっかり疲れ果てて、何を好んでこれ以
上体を疲らせなければならないのかとさえ言う人もありましょう。がしかし、不自然な毎....