上使[語句情報] »
上使
「上使〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上使の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
のほめ物になったそうである。
それから七日目の二十二日に、大目付石河土佐守が、
上使《じょうし》に立った。
上使の趣は、「其方儀乱心したとは申しながら、細川越中守....
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
肉《ひにく》の嘆《たん》を洩しているうちに、十余日が経った。いよいよ十二月八日、
上使|板倉内膳正《いたくらないぜんのしょう》が到着した。細川勢は、抑えに抑えた河....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
の後《ご》ある人から床の間の講釈を聞いて、あれは上段の間《ま》の変化したもので、
上使《じょうし》が坐わる所だと悟って以来決して床の間へは寄りつかない男である。こ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。どうもこれじゃあ芝居にならねえ。おめえは一体どこから化けて来たんだ。偽迎いも偽
上使もいいが、役者の好い割にゃあ舞台がちっとも栄えねえじゃあねえか」 「どうも恐....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
を正使とし、目付|石谷十蔵貞清を副使と定めた。両使は直ちに家臣を率いて出府した。
上使の命に従うこととなった熊本の細川光利、久留米侯世子有馬|忠郷、柳川侯世子立花....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
なるべきかな。 二十六夜の月待ちは、鬼ひしぐ弁慶も稚児姿の若ければ恋におちて、
上使の席に苦しい思いの種子を蒔く、若木の蕾は誘う風さえあれば何時でも綻びるものよ....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
門の処、誰もお天守へ上りますものがないために、急にお呼出しでございました。その御
上使は、実は私に切腹仰せつけの処を、急に御模様がえになったのでございます。 夫人....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
じしているので私はそれがその、我々の大和魂の現れで、かの弁慶でさえも、この点では
上使の段で、鳴く蝉よりも何んとかいって悩んでいる訳なんだからといって、すでに錆か....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
は正に真理意識となる。茲に第三に真理意識を意味するイデオロギーという言葉が、事実
上使われねばならぬ必然性があったのである。プロレタリア・イデオロギーとはかかる第....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
てんま》の与力内山彦次郎が殺されたというに、まだその犯人がわからない、江戸では、
上使の中根一之丞が長州で殺された。ところでこの拙者などは、生来、悪いことは一つも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
他の役人 分別ついたか 因循姑息《いんじゅんこそく》も時によります 歌舞伎芝居の
上使の壱岐さん 田舎《いなか》ざむらい、役には立たねえ ちんぷんかんぷん、お臍《....
「小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
そうして、このさいく物のことりをはこんできたものは、さっそく、帝室さよなきどり献
上使、というしょうごうをたまわりました。 「いっしょになかしたら、さぞおもしろい....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
がぐっしょりと汗にぬれているのに気がついた。 中幕は左団次の出しもので「鳥目の
上使」であったが、その二番目代りに上演された「お染久松」の質店は面白かったと覚え....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
ひて狭く小さく一点に集り行くさま、今日《こんにち》吾人が劇場にて弁慶《べんけい》
上使《じょうし》の場《ば》または妹脊山《いもせやま》館《やかた》の場《ば》の書割....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
。だが女王は、まだ顔をしかめており、近づき難い様子だった。その夜の十一時、伯爵は
上使によって、一室に蟄居すべきことを命じられた。 人々はみな五里霧中の思いをし....