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「上命〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

上命の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の如くに主張するからだ。 或はいうかも知れない。愛するということは人間内部の至上命令だ。愛する時人は水が低きに流れるが如く愛する。そこには何等報酬の予想などは....
運命」より 著者:幸田露伴
れ、まことに事あらば当に臣に告げたもうべし、殿下もし情を以て臣に語りたまわずば、上命あり、当に執われに就きたもうべし、如し意あらば臣に諱みたもう勿れと。燕王信の....
道徳の観念」より 著者:戸坂潤
みならず之はすでにカント自身に於ても意識されていることで、であればこそ彼はその無上命法という最高道徳律を、特に形式的なものとして強調したわけだ。それに、道徳律の....
絶対矛盾的自己同一」より 著者:西田幾多郎
いて自己を有つ真の個物ではない。我々は何処までも物に奪われてはならない。そこに無上命法の根拠があるのである。しかしそれはまた何処までも絶対矛盾的自己同一的世界の....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
系統に属するものであるという事は、絶対主義の主唱者とも言うべきカントが、刑法は無上命令(Categorischer Imperativ)なりと言い、たとい国を解....
孫悟空の雲」より 著者:宮本百合子
かねている。情報局につとめていたことは、まのあたり平野氏に、天皇制と軍国主義の至上命令の兇猛さを示しつづけただろう。そこにつとめながら、そこの仕事を批判していた....
狼疾記」より 著者:中島敦
はないのか? そして輝かしい熱帯の太陽の下に、唯物論も維摩居士《ゆいまこじ》も無上命法も、ないしは人類の歴史も、太陽系の構造も、すべてを知らないで一生を終えるこ....
自由主義私見」より 著者:豊島与志雄
人の正義を意味する。 由来、「各人のそして万人の」という言葉は、その観念を、至上命題化して、宙に浮遊させがちである。然し上述の「自由」は、それが吾々の生活の本....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
いぜん》として感じたのである。彼らは、精神のあらゆる絶対的な法則から、あらゆる無上命令から、あらゆる生存の理由から、脱してしまっていた。しからばなんのために彼ら....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
ダメだよ」 カポネ親分なら、こんな時にカミソリよりも冷酷に死刑宣告的な用件を至上命令的に、きりだすだらうと考へたから、彼も亦、カポネ風にきりだした。 「タヌキ....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
れる音! 香具師の一人切られたらしい。 しかし香具師共は二十人以上、しかもその上命知らず、兇暴の精神の持主である。一時サーッと退いたが、すぐまた民弥を取り巻い....
南国太平記」より 著者:直木三十五
いからとて、不義は、不義じゃ、従うべきではない。牧、わしなら、皺腹を掻っ裁いて、上命に逆った罪をお詫びして死ぬぞ。これがよし、斉興公よりの御上意にしても、主君を....
」より 著者:犬田卯
)価額が倍にも騰貴してしまった。そんなことから、一方では増産ということが国家の至上命令となった関係上、お上の配給制度になり、浩平たちのような、買置きの出来なかっ....
二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
その代償に血を要求した。彼らの祭壇の頂上には、死の匂いがする。 いつ、この「至上命令」のラッパは鳴り止むのか。恐らくそれはいまだ消え絶えていないだろう。十九世....
私本太平記」より 著者:吉川英治
と、彼らの接待に臨んでいた直義はいとまをつげて。 「あらためて兄高氏もいずれ上命を拝しますが、何せいまだ、三河の手勢も揃わず、軍備混雑のさいでございますれば....