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上国
「上国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上国の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乱世」より 著者:菊池寛
対する処分などは、思いも及ばなかった。むしろ、次々に馳せ帰って来る敗兵たちから、
上国の形勢をきくことを、欲していたのであった。 妻のおもとは、格之介の不時の帰....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
上京と決して海路から三田尻に着こうというのであり、長州でもそれを待って相共に兵を
上国に送ろうとして、出発の準備にいそがしかった。いわゆる薩長芸三藩が攻守同盟の成....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
に見えていた。然し北条も大々名だから、上方勢と関東勢との戦はどんなものだろうと、
上国の形勢に達せぬ奥羽の隅に居た者の思ったのも無理は無い。又政宗も朝命を笠に被《....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
寄す」と題する詩に、「双壷遠く寄せて碧香新たに、酒内情多くして人を酔はしめ易し。
上国|豈に千日の醸なからむや、独り憐む此は是れ故郷の春。」というのがあるのに邂逅....
「偽りのない文化を」より 著者:宮本百合子
あり、ラジオ法案がある。国会の人さえ知らないうちに用意されたこれらの法案は、形式
上国会の屋根をくぐっただけで、事実上は官僚の手でこねあげられ、出来上った法律とし....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
持ちは如何に官僚的でも、それだけで官僚という実際の資格は備わらない。官僚という以
上国家権力による行政上の実際的な権威が必要なのだ。 一般に官吏は他の職業人に較....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
えば貧農も地主もルンペンも資本家も一緒くたに数えられるわけだが、併し国民という以
上国家という機構のことではなくて、一人々々の人間のことなのだから、どうしても数で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
御存じでもございましょうが甲州は金の出るところなんでございます。金の出るのは国が
上国《じょうこく》だからでございます。その金の出ますうちにもこの辺では雨畑山《あ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ようと努力した。 船から船へ、発火、無線、旗などによって意思を通ずる浪漫的な海
上国際語である。 U――君は危険に遭遇している。 V――助力を求む。近くにい....
「喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
ならないと一人前になれないような気がしたことはたしかである。 煙草はたしか「極
上国分」と赤字を粗末な木版で刷った紙袋入りの刻煙草であったが、勿論国分で刻んだの....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
政と争い、他方では永遠の正義と争う一瞬間を、それは現わしたものであった。
その
上国外に対しては、一八三〇年はもはや革命ではなく王政となったために、全ヨーロッパ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
兵士が動員している、その三分の一はこの防寨《ぼうさい》に押し寄せてくるんだ。その
上国民兵も加わっている。僕は歩兵第五連隊の帽子と国民兵第六連隊の旗とを見て取った....
「国号の由来」より 著者:喜田貞吉
ので、ここに「日域」とは朝鮮を目して日出処と呼んだのであった。しかしながら、事実
上国家としては我が国以東に位置するものなく、我が国は世界の最東日出処であり、すな....
「特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
彼らは新平民という別の名称を以て、依然として区別せられた。したがって彼らは、国法
上国民としての義務はことごとく普通民と同じく負担しながら、社会においてはほとんど....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
られるのであります。立派に国民として、国家に対する義務をつくしておりながら、事実
上国民としての権利を行うことが妨げられているのであります。なんという不合理なこと....