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上天気
「上天気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上天気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
するから大丈夫だといって仰有ることを聞かずに出かけました。
丁度昼少し過ぎで、
上天気で、空には雲一つありませんでした。昼間でも草の中にはもう虫の音《ね》がして....
「俘囚」より 著者:海野十三
可愛い男に……。 悶《もだ》えに満ちた夜は、やがて明け放たれた。憎らしいほどの
上天気だった。だが、内に閉じ籠っているあたしの気持は、腹立たしくなるばかりだった....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
承知しました」 亀吉は表へ出て、空を仰ぎながら云った。 「親分。あしたは確かに
上天気……。星が降るように出ましたよ」 三 亀吉の予報は狂わないで、....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
いから、まあ、可かった。やっと旧道に繞って出たのよ。 今日とは違った嘘のような
上天気で、風なんか薬にしたくもなかったが、薄着で出たから晩方は寒い。それでも汗の....
「蠅男」より 著者:海野十三
なんかの靴を見たんです。かなりに泥にまみれていました。ご承知のように、わが大阪は
上天気です。しからば、あの靴の泥は東京で附着したのに違いないでしょう。それも雨で....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
大月はそのまま二階へ上ってしまった。 四 その翌日は珍しく
上天気だった。 司法主任を先頭にして数名の警官達がこれでもう何度目かの兇器の捜....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
に気味の悪い湖水だよ。……ここへ来て今日で三日になる。今日もお天気昨日もお天気、
上天気ばかり続くのに、湖水ばかりが晴れないとはどう考えても可笑しいよ。あんなに朦....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
と喜んで同行という返辞であった。 その翌日は秋日和、天高く柿赤く、枯草に虫飛ぶ
上天気であった。 まだ日の出ないそのうちから三人の弟子を引き連れて天野北山はや....
「怪塔王」より 著者:海野十三
っかり明けはなれ、あれほどはげしかった嵐はどこかへ行ってしまい、まるで嘘のような
上天気になっていました。 「ああっ、暑い!」 やけに暑い太陽の光線が、兵曹長の....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
はいつものように、お千をともなって、朝早くバラックを出た。その日はカラリと晴れた
上天気で、陽はカンカンと焼金くさい復興市街の上を照らしていた。杜は途中にして、ミ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
、切詰めた都合があるから、三日めの朝、旅籠屋を出で立つと、途中から、からりとした
上天気。 奥羽線の松島へ戻る途中、あの筋には妙に豆府屋が多い……と聞く。その油....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
ています。ハンナは模範的な召使、美しいベスさんを、まるで竜のように守っています。
上天気つづきなにより、どうぞブルックを御遠慮なくお使い下されたく、なお、費用お見....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
調和が取れなかった。これでは誰の眼にも謎で有ろう。 未だ其上に可怪しいのは、此
上天気に紺蛇の目の雨傘を持っていた。其癖素足に藁草履を穿いて、ピタピタと路を踏む....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
庭で鶴の声がした。 色づいた楓の病葉が、泉水の中へ散ったらしい。 素晴らしい
上天気の秋日和であった。 「趣向は無いかな、変った趣向は?」 秀吉は駄々をこね....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
「翌朝|思のほか寝過ごして、朝湯で少しはっきりして、朝飯を取ります頃は、からりと
上天気。もう十時頃で、田舎はのんきですから、しらしら明もおんなじに、清々しく、朗....