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上座
「上座〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上座の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
畳ばかり新しい会葬者席へ通った。
会葬者席の向う側は親族席になっている。そこの
上座に坐っているのは本多少佐のお父さんであろう。やはり禿《は》げ鷹《たか》に似た....
「老年」より 著者:芥川竜之介
たたかく反射しているのである。その床の間の両側へみな、向いあって、すわっていた。
上座《じょうざ》は師匠の紫暁《しぎょう》で、次が中洲の大将、それから小川の旦那と....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
ち》の秋山図を献じに来たとかいうことです。そうして王氏は喜びのあまり、張氏の孫を
上座に招じて、家姫《かき》を出したり、音楽を奏したり、盛な饗宴《きょうえん》を催....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
った。場主はやがて帳場を伴《とも》につれて厚い外套《がいとう》を着てやって来た。
上座《かみざ》に坐ると勿体《もったい》らしく神社の方を向いて柏手《かしわで》を打....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の前に手を支いて、畏って落涙しつつ居たのである。夫人も傍に。 先生はつかつかと
上座に直って、 「謹、酌をしてやれ。早瀬、今のはお前へ餞別だ。」 ....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
かろうと思われることは禅院の仏壇は、床の間――絵や花を置いて客を教化する日本間の
上座――の原型であったということである。 わが国の偉い茶人は皆禅を修めた人であ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
が主人側の自慢なのですから、増右衛門は人にもすすめ自分も箸を着けようとしますと、
上座に控えていましたかの坂部与茂四郎という人が急に声をかけました。 「御主人、し....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
|顕る。 公子、椅子の位置を卓子に正しく直して掛けて、姿見の傍にあり。向って右の
上座。左の方に赤き枝珊瑚の椅子、人なくしてただ据えらる。その椅子を斜に下りて、沖....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
人ひとしく会釈す。 欣弥、不器用に慌しく座蒲団を直して、下座に来り、無理に白糸を
上座に直し、膝を正し、きちんと手をつく。 欣弥 一別以来、三年、一千有余日、欣弥....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
まりかえった、埋れ井戸には桔梗が咲き、薄に女郎花が交ったは、薄彩色の褥のようで、
上座に猿丸太夫、眷属ずらりと居流れ、連歌でもしそうな模様じゃ。……(焼撃をしたの....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
から引きずり出されたのは二日目の午前であった。 大広間の模様は皆もとの通りで、
上座には、やはりくりくり坊主の親爺が坐して、阿Qは相変らず膝を突いていた。 親....
「荘子」より 著者:岡本かの子
美貌をいくらか取り返したように見えた。 「ひるの刻げんになりました。酒など温め、
上座へお席をあらためておもてなしを致しましょう」 と云い乍ら厨へ去った田氏に代....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
膳がずらりと並んで、細工場でも、運八美術閣だから立派なのよ。 鶏を真中にして、
上座には運八、とそれに並んで、色の白い、少し病身らしいけれども、洋服を着た若い人....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
団十郎が舞台にて負傷し、半途にて興行中止。 ○川上音二郎の創立せる神田三崎町の川
上座、新築落成して七月二日より開場。 ○八月三十一日、中村寿三郎死す、六十三歳。....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
円だ。こまごました勘定なぞどうでもいいが、もし宿料に不足だったらそう云ってくれ」
上座の方からそういう声がきこえた。亭主は彼等の留守中に預り品など調べて、宿料は到....