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「上役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

上役の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
た後《のち》、二月目《ふたつきめ》に北京へ来ることになった。同僚《どうりょう》や上役《うわやく》の評判は格別|善《い》いと言うほどではない。しかしまた悪いと言う....
深夜の市長」より 著者:海野十三
還元して何ごとかと聞くと、「麻雀をやろうと仰有っています」と云った。二、三日前、上役の耳に、僕が麻雀三段であるというのをつい耳に入れてしまった。そのとき失敗った....
振動魔」より 著者:海野十三
あって、それから後は無論のこと職業意識をもって説教をし、燃えるような野心をもって上役の後釜を覘み、妙齢の婦女子の懺悔を聴き病気見舞と称する慰撫をこころみて、心中....
銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
よ。あっちの、派手な着物を着た方の女を、剃刀で殺したのは、この女です」 すると上役らしい警官が乗り出して、大きく頷いていたが、やがていった。 「――つまり、な....
寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
井氏はかなり落ついていて、口数も少なかった。 やがて、数人の部下を連れた肥った上役らしい警官が到着すると、現場の調べが始まった。パッ、パッ、と二つも三つもフラ....
三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
続けながら、叱るように云うのであった。 改札係といえば、伝さん達よりは段違いの上役である。伝さんはピリッとして、トランクを持ったまま本能的に柵を飛び越え、立止....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
は白扇で、なにも書いてない。裏にも表にもない。これには甚だ失望したが、この場合、上役の人に対して、それを言うのも礼を失うと思ったので、張訓はなにげなくお礼を申し....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
もやはりその通りで、彼は又もや三千あまりの銭を貰って来た。それに味を占めて、彼は上役に巧く頼み込んで、以来は夜更けの見まわりを、自分ひとりが毎晩受持つことにした....
続獄中記」より 著者:大杉栄
をしていた。そして自分のすることについて少しでも口を出すものがあれば、被告人でも上役のものでも誰彼の別なく、すぐに眼をむいて怒鳴りつけた。僕はこの男が一度でも笑....
心臓盗難」より 著者:海野十三
査を行った。安東の止宿しているアパートのおばさんをはじめ、その友人たち、勤め先の上役と下僚、それから彼の加入しているロザリ倶楽部の給仕や給仕頭や預所の婦人たちを....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
も仕事の段落がつかず、遂に会社を出たのが夜更の十時だった。会社に泊ってゆけという上役や同僚たちの薦めであったけれど、彼はそれをふり切るようにして、懐中電灯片手に....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
一緒になって自分の暇をつぶしてはいられないのである。 わたしは彼が所属の会社の上役に書面をおくって、彼から聴いた顛末を通告しようかと思ったが、彼になんらの相談....
真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
土地の奴らをだますのはともあれ、自分までも一緒にだまそうというのは、あまりに上役人を侮った仕方である。一日も早く彼らの正体を見あらわして、ぐうの音も出ないよ....
魔性の女」より 著者:大倉燁子
に立ったさ。彼奴の持っている第七感の神秘なんだよ。そのおかげで危険も救われたし、上役のお覚えも目出度くどんどん出世もするしさ。重宝だったが、今じゃ、そのかんがう....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
八〇七年から今の所に住んでいる。今では僕はよい家を一軒とよい地位とを持っている。上役の人々も僕に満足しているし、王様から勲位と徽章とを賜わった。ローレ〔〕も僕も....