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上慢
「上慢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上慢の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「悟浄歎異」より 著者:中島敦
しょくざい》の期の充《み》ちるのを待たねばならなかった。悟空は、今までの極度の増
上慢《ぞうじょうまん》から、一転して極度の自信のなさに堕《お》ちた。彼は気が弱く....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
念をもってこれに対する時はこれほど愚物を煽動《せんどう》する道具はない。昔から増
上慢《ぞうじょうまん》をもって己《おのれ》を害し他を※《そこの》うた事蹟《じせき....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ころに、捧げて置く筈があろうか? あの巻物は、何人のためでもない。わし自身の、増
上慢《ぞうじょうまん》を自ら誡《いまし》めようための、御神霊への誓いだったのだ。....
「悟浄出世」より 著者:中島敦
りといいいまだ証《あかし》せざるを証せりと言うのをさえ、世尊《せそん》はこれを増
上慢《ぞうじょうまん》とて難ぜられた。さすれば、証すべからざることを証せんと求め....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
人として、罪を持たずに生きている者はございません、もろもろの災難はみな、人間の増
上慢心を砕く仏菩薩のお慈悲の力なんでございます」 弁信法師が息をもつかず答えて....
「轆轤首」より 著者:田中貢太郎
住いがござる、荒屋ではあれど、此処よりはましじゃ、それに君子は危きに近寄らず、増
上慢は、御仏もきつくお誡めのはずではござらぬか」 怪量はごそりと起きて笈を肩に....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
もりたてて、五円よりはすこし、よけい収入もあるように計ってやってゆきましょう。増
上慢の語。これは古い言葉ね。おばあさんが、ほんとにまア増
上慢だよとか何とか云って....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
いうことが許せるだろうか。 準之助は、他人を一歩も仮借しようとしない、夫人の増
上慢に、……その無残な仕打に、良人として、いな一人の人間として、呪咀の叫びを上げ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
る。……なにをいやあがる。あしらっておきゃあ好い気になりゃあがって、自分天狗の増
上慢《ぞうじょうまん》。放っておいたら、どこまでつけあがるか知れやしねえ、こんど....
「三国志」より 著者:吉川英治
にはもう市で命を失うていたか。朕も后も、いつかは同じ運命に遭うであろう。曹操の増
上慢が極まることを知らない限りは」 幽宮の秘窓に、おふたりの涙は渇かなかった。....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ます。これなくしては禁門の守りもならず、諸国の騒乱も抑えられません。が、これも増
上慢を恣にしてくれば、かつての北条の悪時代に見るがごとき、朝廷無視の暴状となり、....
「山の人生」より 著者:柳田国男
のごとくであったが、今は絶えてその類の非難を伝えない。或いは智弁学問ある法師の増
上慢が、しばしば生きながら天狗道に身を落さしめたという話もある。平田先生などは特....