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上敷
「上敷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上敷の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
さ》がるような折には、彼は部屋の隅《すみ》にある寝台に身を投げ掛けて白いレエスの
上敷に顔を埋めることも有った。例のソクラテスの死をあらわした古い額の掛った壁の側....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
襟、冷い島田が、幾度も、縁を覗いて、ともに燈を待ちもした。 この縁の突当りに、
上敷を板に敷込んだ、後架があって、機械口の水も爽だったのに、その暗紛れに、教授が....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
だって出せないよ。さ、お次は誰だい?」 ディルバーの主婦さんがその次であった。
上敷とタウェルの類、少し許りの衣裳、旧式の銀の茶匙二本、一挺の角砂糖挟み、それに....
「石ころ路」より 著者:田畑修一郎
、しょっちゅう煙がこもっているし、どこも真黒に煤けている。後半分は畳敷と板の上に
上敷をしいてどうにか部屋らしい体裁になっているが、そこが牧夫の民さんと白痴の昌さ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
「この敷居の前で私は寝る。よく風が通るから」 と言って、小君は板間《いたま》に
上敷《うわしき》をひろげて寝た。女房たちは東南の隅《すみ》の室に皆はいって寝たよ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
匠をお呼び寄せになって、尼用の手道具の製作を命じたりしておいでになった。座蒲団、
上敷、屏風、几帳などのこともすぐれた品々の用意をさせておいでになった。 紫夫人....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
が声高く笑い出し、秋子が口許に微笑を浮べたので、彼は漸く安心した。 女中が盥や
上敷を片付けた頃、秋子は俄に腹痛を訴えだした。 「後産《あとざん》でございますよ....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
けついた腐れ縁燃え盛る噂に雪江お霜は顔見合わせ鼠繻珍の煙草入れを奥歯で噛んで畳の
上敷きへ投りつけさては村様か目が足りなんだとそのあくる日の髪結いにまで当り散らし....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
とに、お宅に飼われました、駒ですよ、駒……猫ですよ。」 ばったり、出窓の障子が
上敷居から落ちて閉った時、以前の年増がもう目の前。 「お待たせいたしました。さあ....