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「上方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

上方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
れは海老《えび》のフライか何かを突《つっ》ついてでもいるらしい。滑《なめら》かな上方弁《かみがたべん》の会話が、纏綿《てんめん》として進行する間に、かちゃかちゃ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
は平坦、あるいは半球形であって、その水の上に浮んでいるものと考えられていた。その上方には不動な天の穹窿が横たわり、それに星辰が固定されていた。しかしこの天蓋まで....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
って、大動脈を破壊してしまったものらしい。第一、第二の犠牲者に比して創口はすこし上方にのぼっているのだった。三人の犠牲者は、いずれも左側の座席に腰を下ろしていた....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
えて、ゆすぶった。 「あれを見ろ」と魚戸は僕の身体を前方へ引摺るようにして、斜め上方を指し「探照灯は本艇が出しているのだが、あの青白い光の中に黒い小山のようなも....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
たつもりであった。 だが、この飛行機は、ついにキンチャコフのいったとおり気球の上方、約五百メートル近いところを飛び過ぎ、やがてだんだん遠くなってしまった。 「....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
子だ。こう、親方の前だがね、ついこないだもこの手を食ったよ、料簡が悪いのさ。何、上方筋の唐辛子だ、鬼灯の皮が精々だろう。利くものか、と高を括って、お銭は要らない....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
そして何処やらに唐風なところがあります。先ずその御門でございますが、屋根は両端が上方にしゃくれて、大そう光沢のある、大型の立派な瓦で葺いてあります。門柱その他は....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
が言った。 「ええ、滅相な……奥方様、唯今ではござりません。その当時の事で。……上方のお客が宵寐が覚めて、退屈さにもう一風呂と、お出かけなさる障子際へ、すらすら....
諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
の中にも、ベタン人形として挙げてあるのはこれで、肥後熊本日奈久で作られます。僕は上方風にベッタ人形といっているが、ベタン人形と同じものですよ。それからこの間|仲....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
置いても、少しも影響を受けない。その後には軸に取り附けた銅板の下で磁針を廻すと、上方の銅板が廻り出すことも確かめた。 ファラデーは一八二八年四月。 一八三一....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
以て干渉の有無を判断するの標準とするに足らざるなり。 そもそも幕末の時に当りて上方の辺に出没したるいわゆる勤王有志家の挙動を見れば、家を焼くものあり人を殺すも....
雪柳」より 著者:泉鏡花
旅人山に入り琴の音を尋ねる事 題を見ただけでも、唐から渡りものの飜案で、安価な上方版のお伽稗子そのままなのが直ぐ知れる。 新吉原山口にて客幽霊を見し事 同角町....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
転じたので、軽焼もまた他の文明と同じく長崎から次第に東漸したらしい。尤も長崎から上方に来たのはかなり古い時代で、西鶴の作にも軽焼の名が見えるから天和貞享頃には最....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
尾の空沢または大沢「信濃、横尾の空沢、嘉門次」という。空沢とは、水なき故なりと。上方は、兀々とした大磧、その間を縦に細長く彩色しているのは草原、下方は、偃松、ミ....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
公話が持ちあがった。 娘のころ、大阪の住友家に奉公に出ていた母はよく『男の子は上方へ奉公にやらな出世しやへん』と口ぐせのようにいっていた。『よし偉いもんになっ....