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上方者
「上方者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上方者の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
は長屋中でも狡猾者《こうかつもの》の大慾張《だいよくばり》と云うくらいの人、此の
上方者が家主《いえぬし》の処へ参りまして、
上「ヘイ今日は、お早うござります」....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
り返していたのに、年のいったのもまた格別な味といわんばかりで、もう五十を過ぎた、
上方者のねっちりとした首領といつのまにかできてしまったものでしたから、江戸っ子の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
」 「そうです、そうです。藤吉は牢内にいる時から金蔵と仲が良かったのです。一人は
上方者《かみがたもの》、ひとりは江戸っ子ですが、不思議に二人の気が合って、これか....
「鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
も五時から店を開けている。 「亭主寒いナ」 と云って入った。この四人、そろって
上方者だから写実で行くと、 「おっさん、えらい寒いこっちゃナア」 と云ったかも....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。紋作はその頃二十三、冠蔵は二十八で、どっちも同じ江戸者でした。ああいう稼業には
上方者が多いなかで、どっちも生粋の江戸っ子でしたから、自然おたがいの気が合って、....
「傾城買虎之巻」より 著者:直木三十五
かけても、皺をよせる。 「主人やろな、番頭にしては外の人と話振りもちがうし。中々
上方者にしてはよく遊んでいる」 と、亭主、印を見ながら女房に云っていると、髪を....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
はいられませぬぞ。御歴々の御見物、一足の踏み違えでもあっては、お江戸の方々から、
上方者《かみがたもの》は、到らぬと、一口に嘲《わら》われましょう」
「はい、慎《....
「獄中記」より 著者:大杉栄
び死刑の宣告を受けた四十幾つかの太った大男だった。もう一人は、やはり四十幾つかの
上方者らしい優男で、これは紙幣偽造で京都から控訴か上告かして来ているのだった。そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の度胸を取り直して、今度は逆に、説法する気になったものらしい。 「こいつはねえ、
上方者《かみがたもん》なんです、京都のみぞろというところに生れた奴なんです、が若....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
『傾城恋飛脚《けいせいこいのたより》』で全国に知れ渡り、「忠兵衛《ちゅうべえ》は
上方者《かみがたもの》で二分残し」とよまれた亀屋の亭主をしくじらせた北の新地槌屋....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
前に、秋葉の原があって、その原の側」の自身番の前へ棄てられる。翌朝これを慾張りの
上方者夫婦が自分の落とし物だといって引き取ってくる。それを同じ長屋に燻《くすぶ》....
「暗夜の白髪」より 著者:沼田一雅
女だそうだ。この婆さん真実の身内というものがない、その関係もあったろうが、元来が
上方者《かみがたもの》の吝嗇家《しまりや》だったから、御殿奉公中からちょびちょび....