上旬[語句情報] »
上旬
「上旬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上旬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
だゆう》の話をしゃべり出した。
七
鼠小僧次郎太夫は、今年五月の
上旬に召捕《めしと》られて、八月の中旬に獄門になった、評判の高い大賊《たいぞく》....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
ある機会で、予《よ》は下《しも》に掲げる二つの手紙を手に入れた。一つは本年二月中旬、もう一つは三月
上旬、――警察署長の許へ、郵税|先払《さきばら》いで送られたものである。それをこ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
水を吹くので、未嘗《いまだかつて》、焼けたと云う事のない屋敷である。第二に、五月
上旬、門へ打つ守り札を、魚籃《ぎょらん》の愛染院《あいぜんいん》から奉ったのを見....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
て、伺いを立てに行ったと云う、それが抑々《そもそも》の発端なのです。何でも六月の
上旬ある日、新蔵はあの界隈《かいわい》に呉服屋を出している、商業学校時代の友だち....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
お目通りを許される事になっていました。大抵二月の二十五日ごろに江戸に着いて、三月
上旬に登城するのが習いで、オランダ人は日本橋|石町三丁目の長崎屋源右衛門方に宿を....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
、滅多に開かれることがなかった。門の鈴がリリリンと冴えた音をさせる日は、大抵月の
上旬にきまっていた。もし気をつけて垣の間から窺っているならば、訪客は夜分にかぎり....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
つかしい。 十一月十七日(日) ◯十月中旬より血痰が出て、静養していたが、本月
上旬にはとまり、今は治っている。この数日急に寒くなり、風邪をひいたらしく、ゆうべ....
「若菜のうち」より 著者:泉鏡花
春の山――と、優に大きく、申出でるほどの事ではない。われら式のぶらぶらあるき、彼岸もはやくすぎた、四月
上旬の田畝路は、些とのぼせるほど暖い。 修善寺の温泉宿、新井から、――着て出た....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
は小村雪岱さんで、双方あちらこちらの都合上、日取が思う壺にはならないで、十一月の
上旬、潤年の順におくれた十三夜の、それも四日ばかり過ぎた日の事であった。 ――....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
申すは、余の事、別儀でもござりませぬ。 老人、あの当時、……されば後月、九月の
上旬。上野辺のある舞台において、初番に間狂言、那須の語。本役には釣狐のシテ、白蔵....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
体裁上今すぐというわけにも行くまい。僕は子供の都合上、来年三月の下旬あるいは四月
上旬をもってその期としたい。その時はちょうど学年の終りあるいは始めの時だ。そして....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
……何となく顔を見られますようで、ですから内証で、その蔦屋へ参りました。 皐月
上旬でありました。 三 門、背戸の清き流、軒に高き二本柳、――そ....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
コックリの仕方 第三段 コックリの伝来 第四段 コックリの原因 明治二十年五月
上旬著者誌 洋の東西を論ぜず、世の古今を問わず、宇宙物心の諸象中、普通の道理を....
「西航日録」より 著者:井上円了
零度に下降し、朝来街上に結氷を見る。昼間も北風ときどき寒を送りきたり、日本の三月
上旬ごろの気候なり。木葉は少半すでに芽を発し、大半はいまだ発せず。これによりて寒....
「古事記」より 著者:太安万侶
島の里においでになつて、その河の邊《ほとり》で食物をおあがりになつた時に、四月の
上旬の頃でしたから、その河中の磯においでになり、裳の絲を拔き取つて飯粒《めしつぶ....