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「上歯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

上歯の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
駒のいななき」より 著者:橋本進吉
ていた。このf音は西洋諸国語や支那《シナ》語におけるごとき歯唇音《ししんおん》(上歯と下唇との間で発する音)ではなく、今日のフの音の子音に近い両唇音《りょうしん....
」より 著者:岡本かの子
甘いものを好まなかった。おやつにはせいぜい塩|煎餅ぐらいを望んだ。食べるときは、上歯と下歯を叮嚀に揃え円い形の煎餅の端を規則正しく噛み取った。ひどく湿っていない....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
地に起こった。さあ始まったと私は二つに折った背中を思わず立て直した。同時に自然は上歯を下くちびるにあてがって思いきり長く息を吹いた。家がぐらぐらと揺れた。地面か....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
抜けたのもあり、医師の手によって抜かれたのもあり、年々に脱落して、現在あます所は上歯二枚と下歯六枚、他はことごとく入歯である。その上歯二枚が一度に抜けたのである....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
の性、年齢、顔貌の特徴、栄養の程度及び能うべくば死因の鑑定をする事。 特に上顎門上歯が幾分前に出て居りしや否や、下顎犬歯は普通人に比して長きや否や、犬歯の俗称鬼....
白い蚊帳」より 著者:宮本百合子
、なほ子は或る夢を思い出した。それは、歯の抜け落ちる夢であった。何かしていると、上歯がみんな一時に生えている順にずり抜けた。おどろき悲しみ、手で押えるがザクザク....
道標」より 著者:宮本百合子
送局につとめているそのソヴェトの娘は、可愛く大きく育った十九歳の体だのに、笑うと上歯がみんなみそっぱだった。その歯は飢饉のためだった。赤坊の乳歯から本歯にうつる....
十二支考」より 著者:南方熊楠
と難し〉。この起句は、文部省刊行俚謡集、伊賀阿山郡の木遣歌《きやりうた》に、牛の上歯に駒の角、師走|筍《たけのこ》寒茄《かんなすび》、山の上なる蛤やとある通り、....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
で明るくなりましたから、見ると仏は十七八の娘で、合掌は組んで居るが、変死と見えて上歯で下唇を噛みまして、上眼をつかって仰のけになって居るから、はてなこれは変死だ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
りしたら笑止ね。 ああああ、どうしても歯医者へ行かなくてはならなくなりました、上歯の妙なところに穴がポッカリあいてしまったわ。 歯医者へゆくとわたしは全くい....
理想の女」より 著者:豊島与志雄
かった。――彼女は美事な歯並を持っていた。上下揃った細い真白な歯並で、而も下歯が上歯の奥にはいり込んで合さるということがなかった。上歯の先端と下歯の先端とがいつ....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
並が妙に薄く見えるけれど、ふっくらした皮膚のこまやかな頬や、少し歯並の悪い真白な上歯が、いつも濡いのありそうな唇からちらちら覗いてる所や、柔かにくくれてる二重※....
次郎物語」より 著者:下村湖人
の稚気ある性格の持主であったためか、その大きな口を思いきり横にひろげて、よごれた上歯をむき出し、天井を向いた鼻の下に灰色のあらいひげを針のように立て、内をのぞき....
はなしの話」より 著者:岡本綺堂
抜けたのもあり、医師の手によって抜かれたのもあり、年々に脱落して、現在あます所は上歯二枚と下歯六枚、他はことごとく入歯である。その上歯二枚が一度に抜けたのである....