上段の間[語句情報] » 上段の間

「上段の間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

上段の間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
構わんものと心得ていたのだが、その後《ご》ある人から床の間の講釈を聞いて、あれは上段の間《ま》の変化したもので、上使《じょうし》が坐わる所だと悟って以来決して床....
新生」より 著者:島崎藤村
の塀《へい》を隔てて石垣の下の方には叔母の家の板屋根なども見える。奥の間がある。上段の間がある。一方には古い枝ぶりの好い松の木や牡丹《ぼたん》なぞを植えた静かな....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ざ領国から夜を日に継ぎ、馳せ参じた者もあった。 信玄は脇息に倚りかかりながら、上段の間に坐っていた。傍らに快川長老がいた。白須法印、日向法眼、二人の奥医師が引....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
しと通って行くと、不敵な鷹揚さを示して命じました。 「当家第一の座敷がよかろう。上段の間へ案内せい」 「は。おっしゃりませいでもよく心得てでござります」 然る....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
、仲の間、次の間、寛ぎの間というふうに、部屋部屋に名のつけてあることも似ていた。上段の間という部屋が一段高く造りつけてあって、本格な床の間、障子から、白地に黒く....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
どうぞごゆっくりとなすってください。」 と清助は言って、主な客人を一番奥の方の上段の間へ案内した。二人の家来には次ぎの奥の間を、供の男には表玄関に近い部屋をあ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
った主人公である。 半蔵は急いで父吉左衛門をさがした。山村氏の御隠居が彼の家の上段の間で昼食の時を送っていること、行く先は中津川で総督お迎えのために見えたこと....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
街道を通る大名という大名、公役という公役、その他、世に時めく人たちで、青山の家の上段の間に寝泊まりしたり休息したりして行かないものはなかった。過ぐる年月の間の意....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
はきわめて温厚の人物であったがちょうど所用で留守のところから、代稽古の石渡三蔵が上段の間に控えていた。 通りかかったのが葉之助で、若党の倉平を供に連れ、ふと武....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
、腰を屈めつつ畏って、どうぞこれへと、自分で荷物を捌いて、案内をしたのがこの奥の上段の間で。次の室が二つまで着いている。あいにく宅は普請中でございますので、何か....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
突に驚かせる。……要らんよ。要りませぬ。」 と弥次郎兵衛。湊屋の奥座敷、これが上段の間とも見える、次に六畳の附いた中古の十畳。障子の背後は直ぐに縁、欄干にずら....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
はございませんよ、失礼な。お客様御免下さいまし。」 と二人は一所に挨拶をして、上段の間を出て行きまする、親仁は両提の莨入をぶら提げながら、克明に禿頭をちゃんと....
丹下左膳」より 著者:林不忘
かに、お傍《そば》小姓がお眼覚めを申し上げるのです。 お居間は、たたみ十二枚。上段の間で、つきあたりは金襖《きんぶすま》のはまっている違い棚、お床の間、左右と....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
って立往生をしたのであった。 七 信州柏原の本陣、古間内の表屋敷上段の間には、松平越後守光長が入り、奥座敷上段の間には、御後室高田殿が入られたの....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
か夜か判らないほどに暗かった。二人は少しく頭をあげて、その暗い隅々をうかがうと、上段の間と思われるところに、ひとりの上※であったので、かれらは又ぎょっとした。 ....