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「上流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

上流の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
寄った中流階級の青年には何のこだわりも感じなかった。が、纔《わず》かに彼の知った上流階級の青年には、――時には中流上層階級の青年にも妙に他人らしい憎悪を感じた。....
大川の水」より 著者:芥川竜之介
色のようにあまりに重く緑を凝らしている。といって潮の満干《みちひ》を全く感じない上流の川の水は、言わばエメラルドの色のように、あまりに軽く、余りに薄っぺらに光り....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
瞬く暇に過ぎた。 彼は毎日酒を飮んだり、谷川の魚を釣ったりして暮らした。谷川の上流には瀑《たき》があって、そのまた瀑のあたりには年中桃の花が開いていた。十六人....
或る女」より 著者:有島武郎
ない返事をしていたものの、話がだんだん深入りして行くにつれて、田川夫人という人は上流の貴夫人だと自分でも思っているらしいに似合わない思いやりのない人だと思い出し....
或る女」より 著者:有島武郎
まったが、滑川のほうはそうは行かなかった。二人は川幅の狭そうな所を尋ねてだんだん上流のほうに流れに沿うてのぼって行ったが、川幅は広くなって行くばかりだった。 「....
星座」より 著者:有島武郎
《やす》らっていた。寂《さ》びきった眺めだった。裏庭のすぐ先を流れている千歳川の上流をすかしてみると、五町ほどの所に火影が木叢《こむら》の間を見え隠れしていた。....
外科室」より 著者:泉鏡花
やあおむけに椅子《いす》に凭《よ》れり。今にはじめぬことながら、ほとんどわが国の上流社会全体の喜憂に関すべき、この大いなる責任を荷《にな》える身の、あたかも晩餐....
高野聖」より 著者:泉鏡花
向うのあの岩山、九十九折《つづらおり》のような形、流は五尺、三尺、一間ばかりずつ上流の方がだんだん遠く、飛々《とびとび》に岩をかがったように隠見《いんけん》して....
古狢」より 著者:泉鏡花
背尾を刎ねた、皿に余る尺ばかりな塩焼は、まったく美味である。そこで、讃歎すると、上流、五里七里の山奥から活のまま徒歩で運んで来る、山爺の一人なぞは、七十を越した....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
めらる。板の色白く、てらてらと対なる岸に懸りたり。 その橋の上に乗りたるよう、上流の流れ疾く白銀の光を浴び、蜿りに蒼みを帯びて、両側より枝|蔽える木の葉の中よ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
居ります。又物の調味には、あの甘草という薬草の粉末を少し加えましたが、ただそれは上流の人達の調理に限られ、一|般に使用するものではなかったように記憶して居ります....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
むずかしくなった。幸いにデビーが教授になったので、評判が良くなり、この後十年間は上流社会の人達がデビーの講義を聞くために、ここに雲集した。しかし財政は依然として....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
、大笹の宿の土橋を渡ろうと、渡りかけて、足がすくみました。そこは、おなじ米町川の上流なんですから。――) その海へ落口が、どっと濁って、流が留まった。一方、海....
三枚続」より 著者:泉鏡花
の横町を馬車新道と称えるのでも解る、弟子の数が極めて多い。殊に華族豪商、いずれも上流の人達で、歌と云えば自然十が九ツまで女流である。 それのみならず、令夫人が....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
いうことは出来ないさ。聴けば聴く程感心な、奇麗な釣だね。』 釣り場は、僅数町の上流なるにぞ、間も無く漕ぎ着きぬ。漁史は、錨綱を繰り放つ役、船頭は※鈎尖の漂う加....