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上等兵
「上等兵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上等兵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
れも同じ中隊にいた、小学校の教師《きょうし》だったと云う、おとなしい江木《えぎ》
上等兵《じょうとうへい》だった。が、そのおとなしい
上等兵が、この時だけはどう云う....
「或る女」より 著者:有島武郎
倉地は返事一つせずに杯を取り上げていた。
二階に行って見ると、古藤は例の軍服に
上等兵の肩章を付けて、あぐらをかきながら貞世と何か話をしていた。葉子は今まで泣き....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
る帝都の空の一角を睨んでいた。 「少尉殿」突然叫んだのは算定器の照準手である飯坂
上等兵だった。 「友軍の機影観測が困難になりましたッ」 「うむ」 高射砲隊長の....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
前まで、同じ工場で働いていた。木谷は、几帳面で、根気強い活溌な性質がとくをして、
上等兵になっていた。 高取は一年間の勤めを了えて、二年兵になったその日に、歩哨....
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
「こんなことをしたって、俺達にゃ、一文だって得が行きゃしないんだ!」 機関銃の
上等兵は、少尉に鼓膜を叩き破られた兄を持っていた。何等償われることなしに兄は帰休....
「前哨」より 著者:黒島伝治
悪い。」 「石塚や、山口なんぞ、こんな風にして、×××ちまったんだ。」大西という
上等兵が云った。「やっぱし、あれは本当だろうかしら?」 「本当だよ。××××××....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
。」 と言いながら、その差しだす軍隊手帳を見ると、読み書きはできる、ラッパ手、
上等兵とあって、その履歴には、ほとんど植民地ばかりに、あすこに二年ここに三年とい....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
出てきた。そして手をふった。 「やあ、ご苦労!」 それは、同乗を命ぜられた工藤
上等兵《くどうじょうとうへい》だった。 「萱原准尉《かやはらじゅんい》。工藤は、....
「空襲警報」より 著者:海野十三
ああ、よく教えてくれた。やはり日露戦役に金鵄勲章をもらってきただけあって、鍛冶屋
上等兵はえらいッ!」 「オイオイ、
上等兵なんかじゃないぞ、軍曹だぜ!」 「ああ、....
「穴」より 著者:黒島伝治
したやつかもしれません。」 「どっから受取った?」 「…………」 栗島は、憲兵
上等兵の監視つきで、事務室へ閉めこまれ、二時間ほど、ボンヤリ椅子に腰かけていた。....
「氷河」より 著者:黒島伝治
こら中に放り出された。担架にのせられたまゝ床の上に放っておかれた、大腿骨の折れた
上等兵は、間歇的に割れるような鋭い号叫を発した。と、ほかの者までが、錐で突かれる....
「火の扉」より 著者:岸田国士
い、あれや違うか、本部附からペナンの収容所へ行つたのは? ほら、浜島なんとかいう
上等兵がいたじやないか」 答えるものはいなかつたが、彼女は、その声の主をあらた....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
している人物で話題になりそうなのは、モグラ族である。徳田、野坂中尉から下は伍長、
上等兵に至るまで近ごろは地下にくぐったから、モグラの一味かも知れん。 しかし、....
「おびとき」より 著者:犬田卯
した頭巾みてえなもの冠って、剣付鉄砲かかえて警備についていっとこだっけが、一枚は
上等兵の肩章つけた平常の服のだっけよ。眼がばかにキツかっけが、まさか戦地だものな....
「四つの都」より 著者:織田作之助
葉子 新吉 健介 小谷初枝 辻節子 尾形清子 蜂谷十吉 夜店出しのおっさん 船山
上等兵 江藤医学士 大雅堂主人 標札屋の老人 他に、国民学校訓導、看護婦、子供達....