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上表
「上表〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上表の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
読みさしの英語の本が開いたまま伏せてあったが、その表紙には反物のたとう紙で綿密に
上表紙がかけてあった。男である園は、その部屋の中では異邦人であることをいつでも感....
「琴のそら音」より 著者:夏目漱石
道楽《くいどうらく》じゃねえか」と源さんが聞くと松さんはそうよそうかも知れねえと
上表紙《うわびょうし》を見る。標題には浮世心理講義録《うきよしんりこうぎろく》有....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
「この前、京都から来た手紙には、こんなことが書いてありました。慶喜公が大政奉還の
上表を出したとほとんど同じ日に、薩長二藩へ討幕の密勅が下ったということを確かな筋....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
る。清三もまたおもしろ半分に、小滝を「しら滝」に改めて、それを別号にして、日記の
上表紙に書いたり手紙に署したりした。「歌妓しら滝の歌」という五七調四行五節の新体....
「ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
得ず、またそのような「分らず屋」でもないことを英国の資本主義と保守とに向って事実
上表明しつつある労働党が、山の手では今なおかくの如く左翼であり得るのだ! 皇室....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
字がその事実を証明いたします。後に蜀の丞相《じょうしょう》の位に登りましてから、
上表の文章の中に、『自分には成都に桑八百株|薄田《はくでん》十五|頃《けい》があ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
い。」 散策子は答えに窮して、実は草の上に位置も構わず投出された、オリイブ色の
上表紙に、とき色のリボンで封のある、ノオトブックを、つまさぐっていたのを見たので....
「瘤」より 著者:犬田卯
い着物をきせろ、とまでいったのも彼であった位で……が、本来弱気のこの長老はそれ以
上表立って津本をどうすることも出来なくてしまったのである。 それにしても村人に....
「国号の由来」より 著者:喜田貞吉
故に、色白うして眼青みあり」とあるのはこれである。古く既に平安朝初期の新撰姓氏録
上表の文にも、奥州のことを「日出之崖」とある。鎌倉時代から室町時代にかけて、奥州....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
その堵に安んずる者の多きはなんぞや。これ、宗教の影響にあらざるはなし。進みて政治
上表面の幸福を得ることあたわざるものは、退きて宗教上裏面の快楽を求め、法律上の不....
「新撰組」より 著者:服部之総
新徴組と共に新撰組を禄位《ろくい》をもって優待しようとしたのにたいして、肥後守へ
上表して辞退した近藤勇署名の文中 「全体私ども儀は尽忠報国の志士、依て今般御召....
「正に芸術の試煉期」より 著者:小川未明
商品化をよぎなくするものがあるのを考えるからである。 尚お、他方には思想の性質
上表現の自由を有しないものがある。是等のことは、人間生活を思念することから、即ち....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
と大と量とを説明すべくあまりに果なき名であります。しかし人間の言葉としてはこれ以
上表現のしようもないので、かの生命をこの種の名で呼び、ひとまず納得することにして....
「三国志」より 著者:吉川英治
乱に陥れ、敵の名だたる勇将を討つことその数を知らず――」 という都督徐盛からの
上表であったが、孫権は、 「否々。魏軍を驕り誇らせて、淮河の隘口に誘い、周密に、....
「南画を描く話」より 著者:中谷宇吉郎
ことを絵について言うと、極めて簡単なタッチで、小豆粒大の人の顔を見分けさせ、その
上表情まで出していることになる。そしてそういうことが可能である所以《ゆえん》は、....