上露[語句情報] » 上露

「上露〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

上露の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
時、保吉の心は沈んでいた。保吉は勿論「幸さん」には、何の同情も持たなかった。その上露柴の話によると、客は人格も悪いらしかった。が、それにも関《かかわ》らず妙に陽....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
らの日差しに明々と映えあがる。向って左の方に、ひときわ高くあたかも船橋のような屋上露台を構えたのが主館であろう。進むにつれて同じように白い小さな船室風の小屋が見....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
たる人の噂《うわさ》は滅多に宛《あて》になら坂《ざか》や児手柏《このでがしわ》の上露《うわつゆ》よりももろいものと旁付《かたづけ》て置いて、さて正味の確実《たし....
小爆発二件」より 著者:寺田寅彦
いたのであった。 やっぱり浅間が爆発したのだろうと思ってすぐにホテルの西側の屋上露台へ出て浅間のほうをながめたがあいにく山頂には密雲のヴェールがひっかかってい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
十日あまりに福原よりぞ上り給ふ、何事も皆変りはてて、稀に残る家は門前草深くして庭上露|茂《しげ》し、蓬《よもぎ》が杣《そま》、浅茅《あさぢ》が原《はら》、鳥のふ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
な事にはむとんちゃくで、活気が資本《もとで》だ。 隣り蔵と隣り蔵との間に、便宜上露路のある場処がある。片っぽの土蔵のほんの差《さし》かけが、露路口にあって、縄....
源氏物語」より 著者:紫式部
あろうと思うと物哀れになって、 おくと見るほどぞはかなきともすれば風に乱るる萩の上露 と言った。そのとおりに折れ返った萩の枝にとどまっているべくもない露にその....
朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
ぶ人だった。 「では、河内《かわち》の国、富田林《とんだばやし》の、石《いそ》の上露子《かみつゆこ》さんとどっちが――」 かつて、雑誌『明星《みょうじょう》』....