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上面
「上面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
の両面は、ここに取扱う趣味様態の成立規定たる両公共圏を示す。底面は人性的一般性、
上面は異性的特殊性を表わす。八個の趣味を八つの頂点に置く。
上面および底面上にて対....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
青年を夢みて、老なる問題はどこのすみにも問題になっていない。根底より虚偽な人生、
上面ばかりな人世、終焉|常暗な人生…… 予はもの狂わしきまでにこんなことを考え....
「ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
いう話。新聞に出てたでしょう。あそこの主人は清水ってお爺さんで、何とか議員をして
上面は立派な紳士なんだけれども、実は卑しい身分から成り上がった成金で、慈悲も人情....
「銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
もらった高価な舶来ビスケットの箱が錠前付きのがんじょうなブリキ製であったが、その
上面と四方の面とに実に美しい油絵が描かれていた。その絵の一つが英国の田舎の風景で....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
思議はないが、いや、快く戯れる。自在に動く。……が、底ともなく、中ほどともなく、
上面ともなく、一条、流れの薄衣を被いで、ふらふら、ふらふら、……斜に伸びて流るる....
「神田を散歩して」より 著者:寺田寅彦
伝方法に属する。それが陽気で眩目的であるだけに効果は大概皮相的で、人の心のほんの
上面をなでるだけである。そしてなでられたくない人は、自由にそれを避ける事ができる....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
の三角関係に基くものではないだろうか。そんな三角関係などは二十余年も以前の事で、
上面は夙うに清算されているようだが、きっと何か残っていたに違いないのだ。 恐ろ....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
きを命ずることにした。 この一座が掛かって以来、にわかに盗難が多くなって、風紀
上面白くない。だから追い払おうと云うのであった。 鼬の芸当が人気を呼んでこの一....
「稀有の犯罪」より 著者:小酒井不木
れが胃で、この中にダイヤモンドがあるはずだ」 こういって彼は、指をもって胃袋の
上面を触れました。 「ダイヤモンドは外からさわって見てもわかるはずだ」 暫くさ....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
トンのつべこべとアイリスに取り入る態度を見てはジョーンの血はたぎった。ジョーンは
上面では大様を装って居た。女に、殊に幼な馴染のアイリスに性慾を感じさせるような身....
「無表情の表情」より 著者:上村松園
どのものです。 そのすぐれた面を着けて、最もすぐれた名人があの舞台に立つと、顔
上面なく、面裡人なしとでも申しましょうか、その面と人とが精神も肉身も合致合体、全....
「頭蓋骨の秘密」より 著者:小酒井不木
、義理のために白状したのだと信じて自分で取り調べようかとも思われたのですが、職掌
上面白くないから、俊夫君に事件の捜査を依頼に来られたのであります。 「承知いたし....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
田町にかけてただ一白。 折から颯と渡った風は、はじめ最も低く地上をすって、雪の
上面を撫でてあたかも篩をかけたよう、一様に平にならして、人の歩行いた路ともなく、....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
することが出来る。なおチベットの経文と漢訳の経文とを比較して研究するのも余程学術
上面白い事でもありまた充分研究すべき価値のある事であるから、これを研究するにはぜ....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
れている。幅三、四尺の土橋の上に、二、三尺の厚さに積った雪が両側から崩れ落ちて、
上面わずかに二尺足らずの梯形をなしている上を、俥屋さんは慣れた業とて巧みに引いて....