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上騰
「上騰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
上騰の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
一角、直線に断たれてその間から広い野が見える、野良《のら》一面、糸遊《いとゆう》
上騰《じょうとう》して永くは見つめていられない。
自分らは汗をふきながら、大空....
「風船美人」より 著者:渡辺温
やがて、新しい瓦斯を充満した軽気球は砂袋を落として、静かに身をゆすぶりながら
上騰しはじめた。すると丸髷の女の人は声を立てて中学生の肩へしがみついた。そのため....
「夜の靴」より 著者:横光利一
、峠を越した漁村の利枝の家へ、縄と筵を売りに通った極貧の暮しも、以来|鰻のぼりに
上騰した。彼の妻のお弓は利枝の妹で、本家の参右衛門の母の妹にもなる。久左衛門は隣....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
夫婦は、二人の生活費をこちらもちという条件なら承知するのです。しかし生活費は刻々
上騰ですし、わたしはそれこそ大局的に可及的営養をとらなくてはならないしすると、生....
「経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
るとしても、労賃は常に一〇%以下しか騰貴しないであろうが、しかし地代は常により以
上騰貴するであろう。労働者の境遇は一般的に下落し、そして地主のそれは常に改善され....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
異香らしいものさえ鼻に薫じた。距離感と時間的観念とはいつの間に消滅していて落下か
上騰か不明の運動に慧鶴の精神も肉体も支配され、息も詰まるばかりの緊張で宇宙のどこ....