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下がって
「下がって〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下がっての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
やっと体《からだ》を起こし、部屋《へや》の隅《すみ》へ歩み寄ると、天井からそこに
下がっていた一本の綱《つな》を引きました。すると今まで気のつかなかった天窓が一つ....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
矢は、中には物々しい鏑《かぶら》の音さえ交えて、またひとしきり飛んで来る。後ろに
下がっていた沙金《しゃきん》でさえ、ついには黒い水干《すいかん》の袖《そで》を斜....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
だらしなくはだけて、紺献上《こんけんじょう》の帯がほどけたなり、だらりと後へぶら
下がっているのを見ても、余程、酔っているらしい。踊は勿論、出たらめである。ただ、....
「或る女」より 著者:有島武郎
かいの左の戸には「No.12 早月葉子殿」と白墨で書いた漆塗《うるしぬ》りの札が
下がっていた。船員はつかつかとそこにはいって、いきなり勢いよく医務室の戸をノック....
「或る女」より 著者:有島武郎
小さな襦袢《じゅばん》や、まる洗いにした胴着《どうぎ》が暖かい日の光を受けてぶら
下がっているのを見ると葉子はもうたまらなくなった。涙がぽろぽろとたわいもなく流れ....
「僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
ました。中の口の帽子かけに庇《ひさし》のぴかぴか光った帽子が、知らん顔をしてぶら
下がっているんだ。なんのこったと思うと、僕はひとりでに面白くなって、襖《ふすま》....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いました。さて人間の住む地球は、大きな赤黒い火の玉のように、あたまの上の空にぶら
下がっていました。 *ドイツの天文学者 夜番はまもなく、たくさんの生きものにで....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
の木にもどの木にも、三人、四人と、よその国の王さまのむすこたちが、ころされてぶら
下がっていました。王女に結婚を申し込んで、もちだしたなぞをいいあてることができな....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
つな麻の着物を着せられました。あのうつくしい髪の毛は、きれいな首筋にみだれたまま
下がっていました。ほおは死人のように青ざめでいました。くちびるはかすかにうごいて....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
たか、平生用心深い子で、縁側から一度も落ちたことも無かったのだから、池の水が少し
下がって低かったら、落ち込むようなことも無かったろうにと悔やまれる。梅子も民子も....
「妖怪談」より 著者:井上円了
の真ん中へ穴をあけました。その穴から狐どもが入り込みまして、おいおいと腹の方へと
下がってゆきました。はじめのうちはおもしろがっておりました。ところが、狐どもは腹....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
は、いわば当時の扇風機のモーター代わりの役目である。分厚いどんちょうの端からたれ
下がっているひもを、次の間からひいたり、ゆるめたりする。するとちょうど客の頭の上....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
さわがしい囃子であった。日本の芝居のように道具立てや背景がない。幕が後の方にたれ
下がっているだけである。門でも必要なときにかついで出て来るといった塩梅である。門....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
へ目をやった。なるほど、穴はぜんぶふさいだのにもかかわらず、まだすこしずつ気圧が
下がっていく。目につかない穴がどこかに残っているのだろう。 「どうしたのか」 ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
く高くのぼって行く、その煙雲のふちはももいろに染まっている。 川開きのような、
下がってくるオーロラのような焼夷弾の落下である。 ◯撃墜されるB29が火達磨とな....