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下がり
「下がり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下がりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
か、かたばみはどこの何という女だか、一向に見分けが付かなかった。しかし綾衣の紋が
下がり藤であるということだけは、確かに知っていた。 自分が上野まで往復している....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
ょうど最中《もなか》の月を観《み》ようという八月十四日の昼《ひる》の七つ(四時)
下がりであった。座がしらのお絹が舞台で突然に倒れたので、見物も楽屋の者も一時は驚....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
話だが、それは、具体的にいうと、どんなものでしょうか。どこかの地方が、急に気温が
下がりだしたという報告でもあるのでございましょうか」 総監は、熱心を面にあらわ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
われた。 「じゃあ兄弟二人ぎりか。兄貴はおめえを可愛がってくれるか」 「むむ。宿
下がりの時にゃあ何日《いつ》でもお閻魔《えんま》さまへ一緒に行って、兄貴がいろん....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いて、その日の午飯には粥を食うようになったので、まあ好かったと喜んでいると、七ツ
下がり(午後四時過ぎ)になってから、旅の男はもうすっかり快《よ》くなったから発《....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
方をふり返ると、男の姿はもう見えなかった。 二 それから二日目の七ツ
下がり(午後四時過ぎ)に、善八と幸次郎が半七の長火鉢のまえに鼻をそろえた。二人は....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
有難し、有難し。 ◯けさ、広鳥惨害写真が新聞に出た。 八月二十日 ◯熱は少しく
下がりしようなるも、体だるし。英も疲労し、やつれ見え、痛々し。しかし今日割合い元....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ケンはロープの他のはしをにぎって、伯爵と玉太郎に、それをしっかりにぎってうしろへ
下がり、腰をおとすように命じた。 ケンは岩鼻のところに立ち、ダビットが岩をこえ....
「火星探険」より 著者:海野十三
でられる。ブブンの声がぴったりと停まる。彼の勝ち誇っていきり立った触角がだらりと
下がり、そしてやがてそれは曲の旋律にあわせて、すこしずつくねり出した。 ふしぎ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
も分った。 実は――吹矢も、化ものと名のついたので、幽霊の廂合の幕から倒にぶら
下がり、見越入道は誂えた穴からヌッと出る。雪女は拵えの黒塀に薄り立ち、産女鳥は石....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
をねかしてその上を守るように自分の頭を垂れますと、長い毛が黒いベールのように垂れ
下がりました。 しかして両手をさし出してだまったなりでいのりました。子どもの額....
「寡婦」より 著者:秋田滋
だけで、分ってしまうのです。彼らはみんな髪の毛がうずを捲いていて、額にひくく垂れ
下がり、髭は縮れ、眼がそれはそれは大きくて、その眼で射るように視られると、何がど....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
生も「何より心から楽しんで謡うのが本当です」と言われましたが、少しぐらい、上がり
下がりがあろうと、本人はよい心持で精一杯謡っているのですから、何の心配もなく楽し....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
らいえば、おかる勘平の道行のごときは、江戸の作者がお軽に箱せこなどを持たせて、宿
下がりの御殿女中らをよろこばそうとした、一種の当て込みものに過ぎないのであって、....
「殿さまの茶わん」より 著者:小川未明
んで、毎日苦しい思いをしている。」と諭されました。 陶器師は、恐れ入って御殿を
下がりました。それから、その有名な陶器師は、厚手の茶わんを造る普通の職人になったということです。....