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下り列車
「下り列車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下り列車の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
っとあの避暑地の停車場《ていしゃば》へ降りた。プラットフォオムには少し前に着いた
下り列車も止っている。彼は人ごみに交《まじ》りながら、ふとその汽車を降りる人を眺....
「門」より 著者:夏目漱石
ちに、今度もいろいろの事情に制せられて、ついそれも遂行《すいこう》せずに、やはり
下り列車の走る方《かた》に自己の運命を托した。その頃は東京の家を畳むとき、懐《ふ....
「少女地獄」より 著者:夢野久作
しに、向家の屋根のペンペン草だの、ずっと向うに並んで揺れているポプラの並木だの、
下り列車から吹き散って行く黒い烟だのを見ていると、それがみんな妾の運命みたいに思....
「空を飛ぶパラソル」より 著者:夢野久作
地蔵松原の向うから、多々羅川の鉄橋を渡って、右手の筥崎駅へ、一直線に驀進して来る
下り列車の音が、轟々と近づいて来る気はいである。それにつれて女の足取りも、心持ち....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
れ、既にひと通りの下調べを済ました保線課の係員を案内役として、翌日の午後二時発の
下り列車で、早速Ｂ町へやって来たんです。 現場の曲線線路と言うのは、Ｂ駅から一....
「青服の男」より 著者:甲賀三郎
ないかと思ったのだった。 果して駅員は覚えていた。 昨日の朝十時三十三分着の
下り列車で、鳶色の服を着た信造らしい青年が下車した。それから同日の午後六時三分発....
「軽井沢」より 著者:寺田寅彦
っぽいのは白粉のつけそこねであったかも、それはわからない。 軽井沢の駅へおりた
下り列車の乗客が、もうおおかたみんな改札口を出てしまったころに、不思議な格好をし....
「木魂」より 著者:夢野久作
であった。彼のすぐ横には白ペンキ塗の信号柱が、白地に黒線の這入った横木を傾けて、
下り列車が近付いている事を暗示していたが、しかし人影らしいものはどこにも見当らな....
「雷」より 著者:海野十三
まったのである。 × × × 丁度その頃、お里の兄の雅彦は、
下り列車が比野駅構内に入るのも遅しとばかり、ヒラリとホームの上に飛び下りた。それ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
る白い燈火をかかげた。 私はあとから列車が追いかけて来るような不安な心持ちで、
下り列車の線路のわきを通って自分の路を見つけた。その路はさきに下って来たときより....
「火の扉」より 著者:岸田国士
ぱいペダルを踏む市ノ瀬牧人の後ろ姿を、たゞぼう然と見送つていた。 中央線終発の
下り列車はもう甲府駅を過ぎていた。 やつといまあいたばかりの座席へぐつたりとよ....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
らが今日もここから乗込んだのを見ると、おとといは次の駅でいったん下車して、さらに
下り列車に乗りかえてＦの町へ引っ返し、きのう一日は自宅にとどまって、きょうの午前....
「怪青年モセイ」より 著者:夢野久作
国道に出て「さようなら」を言ってもまだ二人の話は尽きなかった。けれどもそのうちに
下り列車が、二人の鼓膜を震憾して通過したので、やっと話が途切れた。 帽子を手に....
「樹氷」より 著者:三好十郎
、誰かが弾いている大正琴の「男三郎の歌」の曲が、ちぎれちぎれに近くなる。 そこへ
下り列車の音が近づいて来る。 それを聞きつけて再び待合所の方へ早足にもどって行く....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
に乗る。どの汽車に乗っても東京へ行き着くことができますか？ まさか東京へ行くのに
下り列車に乗りこむ人はおりますまい。しかし上りならどれでもかまわぬとは申されぬ。....