下側[語句情報] »
下側
「下側〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下側の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の実験室がこれも窓が、開け放たれているのに気がついた。 兼常博士の室の窓は、廊
下側の二つは単純な硝子窓で、それには掛金が下りているが、中庭側の三つが開け放され....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ら輪形の左の根元に引っ掛けて、余りを検事の胴に繞らし、その先を再び鍵穴を通して廊
下側に垂らした。そうしてから、
「まず支倉君を人形に仮定して、それが窓際から歩い....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
をやけにかく音が何処からも起った。モゾモゾと小さいゼンマイのようなものが、身体の
下側を走るかと思うと――刺す。その度に漁夫は身体をくねらし、寝返りを打った。然し....
「栄螺」より 著者:田畑修一郎
だが、めいめいに水中眼鏡をかけて、岩から岩へつたわって行くのであった。岩の側面や
下側、海底などの割れ目を丹念にのぞいて行くのである。いるときには、その長細い割れ....
「冬日記」より 著者:原民喜
て来た。たとえば、雨の近い夕方、息をしているのも不思議なような一刻、微かに皮膚の
下側を匐《は》い廻るもののけはいがあって、それをじっと怺《こら》えていると、今に....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
、爛れた処は茶褐色、又は卵白色が入り交り、乳が辷り流れて肋骨が青白く露われ、腹は
下側の腰骨の近くから破れ綻びて、臓腑の一部がコバルト色に重なり合って見え、顔は眼....
「試験管」より 著者:寺田寅彦
、一人でもまだ存在するということが当時の自分にはうれしかったのである。 I氏の
下側から見た鼻の二等辺三角形の頂角を目測しながら自分がつい数日前に遭遇したある小....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
ったから、はたして無事に着陸できるかと案じられた。 だが万事うまくいった。艇の
下側から、着陸用のソリがひきだされる。そして火星の表面に着陸地帯として、もってこ....
「白い壁」より 著者:本庄陸男
が見透けてきて「止めろ、止めないか!」と強圧することができないのだ。もしこの時廊
下側の座席から久慈恵介が持ち前の金切声をふり絞って、「うるせえ、止めやがれ!」と....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
なかったなら、その一撃は確かにその男を背骨まで切り下したことだろう。今でも看板の
下側にその刀痕が残っている。 この一撃が果合の終りであった。一度街道へ出ると、....
「小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
りた何かのついでに、思い出して覗いてみると、蜂は前日と同じように、躯を逆様に巣の
下側に取り付いて仕事をしていた。二十くらいもあろうかと思う六角の蜂窩の一つの管に....
「瀬戸内海の潮と潮流」より 著者:寺田寅彦
通りません。図は前にも云った通り上げ潮の時の有様ですが、下げ潮の時には反対に図の
下側の方へ同じような流れと渦巻が出来ます。 これからだんだん暑くなりますから、....
「物理的空間の成立まで」より 著者:戸坂潤
....
「海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
であるという。 抱肝も恐ろしいものの一つだ。抱肝は河豚の肺臓であって、肩胛骨の
下側についている。これは必ず捨てねばならないのである。それから青い色の胆嚢、赤黒....
「鮎ははらわた」より 著者:北大路魯山人
鮎は背の上部、ことに頭に近いほど、多くの脂肪を持っている。そして、この脂肪の
下側がはらわたで、脂肪とわたとの両側を備えたこの部分が、一番美味とする所なのだ。....