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下僚
「下僚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下僚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
に不機嫌な顔になってあのひとの役所に引上げる。 「いかがでございました?」 と
下僚にたずねられ、彼は苦笑し、 「いや、もう、さんざんさ」 と答える。 討論....
「二老人」より 著者:国木田独歩
よ》のありがたさに、これぞというしくじりもせず、長わずらいにもかからず、長官にも
下僚にも憎まれもいやがられもせず勤め上げて来たのだ。もはやこうなれば、わしなどは....
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
手段を弄して、自分の偉さを強調しようと努めていた。たとえば、自分が登庁する際には
下僚に階段まで出迎えさせることにしたり、誰にも自分の前へじかに出頭するようなこと....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
感を起こさすが、疵なるべし。こは武男が従兄に当たる千々岩安彦とて、当時参謀本部の
下僚におれど、腕ききの聞こえある男なり。 「だしぬけで、びっくりだろう。実は昨日....
「謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
。無政府主義が何が恐い? それほど無政府主義が恐いなら、事のいまだ大ならぬ内に、
下僚ではいけぬ、総理大臣なり内務大臣なり自ら幸徳と会見して、膝詰の懇談すればいい....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
であった。
それでも日はすっかり暮れていた。
大主典を迎えたイシカリ出張所の
下僚に馬の手綱を渡し、阿賀妻は挨拶をして渡船場に向った。晴れあがった夜空には明滅....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
った。安東の止宿しているアパートのおばさんをはじめ、その友人たち、勤め先の上役と
下僚、それから彼の加入しているロザリ倶楽部の給仕や給仕頭や預所の婦人たちを訪ねま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
新元服の本客に劣らない、振袖姿の美少年の生意気さ――道路の上に指さして、上役が
下僚を叱るような態度で、きめつけているのが、
「奇妙奇妙」
道庵には奇妙だが、....
「源氏物語」より 著者:紫式部
かしどんなに聡明《そうめい》な人でも一人や二人で政治はできないのですから、上官は
下僚に助けられ、
下僚は上に従って、多数の力で役所の仕事は済みますが、一家の主婦に....
「源氏物語」より 著者:紫式部
、大将もりっぱであったし、宮もきわめてごりっぱなお姿と見えた。この日は右近衛府の
下僚の招宴をして纏頭を出すならわしであったから、自邸でとは言っていたが、近くに中....
「海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
一 普請奉行の一木権兵衛は、一人の
下僚を伴れて普請場を見まわっていた。それは室津港の開鑿工事場であった。海岸線が欠....
「役人学三則」より 著者:末弘厳太郎
々の長官の個人的功名心満足の対象物になって実質的にその成績をあげえない。これでは
下僚といえども真に身を入れて仕事をする気になれない。百害の因はまさにこの点に存す....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
る。 どうしたものだろう、なにかうまい知恵はないものか。 雀右衛門は、自分の
下僚を呼んで相談し、懊悩の表現、まことに哀れである。 雀右衛門の
下僚というのは....
「国号の由来」より 著者:喜田貞吉
あらば、復以て聞する勿れ」とある。「復以て聞する勿れ」とは、天子の上聞に達せず、
下僚において適当に善処せよとの義である、支那は古来自ら中国を以て任じ、天に二日な....
「城」より 著者:カフカフランツ
のである。それとともに、彼は憂鬱な気分になってしまった。こうした懸念のうちには、
下僚の身分であること、労働者であることの、恐れていたような結果をはっきり示してい....