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下地
「下地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
しょもう》されるままに曾根崎《そねざき》新地《しんち》のお茶屋へおちょぼ(芸者の
下地《したじ》ッ子《こ》)にやった。 種吉の手に五十円の金がはいり、これは借金....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
から何にも知らない。 「主あ、どうさしった、久しく見えなんだ。」 と云うさえ、
下地はあるらしい婆さんの方が、見たばかりでもう、ごほごほ。 「方なしじゃ、」 ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ッと怪音が頭上に迫ったのと同時だった。晴彦に待避を命じて小さくなった。焼夷弾の落
下地点に耳をそばだてていると、佐伯さんのあたりに轟然と落下し、あたりに太い火柱が....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
売ったことがない。その点で美術関係の諸方面にかなり信用が蓄積されていた。そういう
下地がある上に、彼は一旦物事を遣り出すと、その成績に冴えて凄味が出るほど徹底した....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
常磐津の女師匠を囲いものにしていたとか云う噂がありますから、遊芸については幾らか
下地があるというほどで無くとも、相当の趣味はあったのかも知れません。いずれにして....
「白い下地」より 著者:泉鏡花
は浅黒いのが宜いというけれど、これとて直ちにそれが浅黒いと見えるのでは無く、白い
下地が有って、始めて其の浅黒さを見せるのである。 色の白いのは七難隠すと、昔の....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
のは水滸伝だとさ、白文でね。」 「何、水滸伝。はてな、妙齢の姿色、忽然として剣侠
下地だ、うっかりしちゃいられない。」 と面を正しく、口元を緊めて坐り直し、 「....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
きりさせていた。かえってそれが新吉の心にある為めに、フランスの二人の女の浸み込む
下地が出来ていたとも言えよう。 七月一日の午後四時新吉は隣の巴里一流服装家ベッ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
下からの処置で、油田は渇れるだろう。また、十人の犠牲で全油田爆破ともゆける。その
下地を、俺はいま作りあげようとするのだ。で俺が、もしも大塩沙漠から生還した場合、....
「好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
町の娘さんたちも買いに来ました。その頃の娘さんたちがよくはわせというのは、今の鬘
下地の輪毛を大きくしたもので、鬘
下地に較べるとズッと上品なものです。 その頃桃....
「京のその頃」より 著者:上村松園
」に結う。ちょっと鹿の子を掛けたりすると可愛いものだ。 少し髪が伸び揃うと「鬘
下地」か「福髷」かに結う。そうたっぷりと伸びていないので、鬢を小さく出す。それを....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
友だちは自炊をしている……だから、茄子を煮て晩飯を食わしてくれたんですが、いや、
下地が黒い処へ、海水で色揚げをしたから、その色といったら茄子のようで、ですから、....
「迷信解」より 著者:井上円了
天運のしからしむるところとあきらめ、おのおの正理を守り正道をふみ、上天に恥じず、
下地に恥じず、中人に恥じざる行いをなし、世はいかに暗黒なりとも、心中は常に青天白....
「影」より 著者:岡本綺堂
好い加減に喋って置け。一杯や二杯の酒で調子の狂うお前じゃあねえが、今夜はよっぽど
下地があるな。 おつや おじさんの千里眼は偉い。実は熱海の駅で汽車を待っているあ....
「世間師」より 著者:小栗風葉
小言を言いながら、為事の方に向いてしまう。 すると、ある日の事だった。ハンダの
下地に塗る塩酸がなくなったから、町の薬屋へそれを買いに行った万年屋は、ものの三十....